本日紹介しますのは、川上未映子「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」(略して、そらすこん)。
芥川賞作家、川上未映子の綴った日々の記録です。
世界から見ればわたしたち、なんてことない存在かもしれませんが、わたしたちから見れば世界なんてわたしたちのもの、わたしたちが世界だったのではありませんか。
身体で世界に触れて言葉で世界を認識する、発せられた言葉は表現となってわたしたちの世界になったのではありませんか。
そんな各々が各々に孕んで生んだ世界は、そら、すこんと各々の頭の中に。
世界認識の仕方は各々異なるものであり、また、その発露のしかたも人それぞれですから、他人の頭をかぱりと開けば異なる世界がそらすこんと入っているはずです。
芥川賞作家は日々何を思い、世界と対峙していたか。
世界との接触、その瞬間の感覚の共有は不可能であったとしても、日々の記録はその断片を見せてくれるはず。
この本を読めばあなたの頭の中の世界が一度がらがらと音を立てたり立てなかったりして崩れてしまうかもしれません。
でも、文庫ガールなら大丈夫。
たくさんの本たちがまた、新しい世界を教えてくれるから。
あなたの頭にも、そらすこん。
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