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2011年7月7日木曜日

280円文庫 『智恵子抄』

七月七日。今日は七夕ですが、あいにく朝から雨のところが多いようです。
七夕に降る雨を催涙雨(酒涙雨)と呼ぶのだそう。天の川の水かさが増し織姫と彦星が会えなくなってしまう、すると二人は悲しい涙を流しその涙が空から降ってくるのだと言われています。
夜までに止むでしょうか。織姫と彦星が出会えることを願いましょう。

どしゃ降りでなければ涼しいので浴衣で出かけるなんてのもいいですね。
東京都内の七夕のイベントを幾つか紹介します。

●東京タワー 七夕特別企画『天の川イルミネーション』
【開催期間】2011年6月1日(水)~7月10日(日)
http://www.tokyotower.co.jp/cgi-bin/reg/01_new/reg.cgi?mode=1&no=1472

●東京大神宮 七夕祈願祭
【開催期間】2011年7月7日(木)
http://www.tokyodaijingu.or.jp/saiten/saiten_07/index.html

●神田明神 七夕祭
【開催期間】2011年7月7日(木)
http://www.kandamyoujin.or.jp/event/detail.html?id=14&m=07


さて、織姫と彦星とはまた別の、しかし苦しいほどに強く惹かれ愛し合った二人がいました。
紹介する文庫は、高村光太郎『智恵子抄』です。
詩人であり彫刻家の光太郎と洋画家の智恵子。そんな芸術家の二人が出会い結ばれ、二十七年間の夫婦生活の末、智恵子が死してもなお注がれた光太郎による尋常一様でないほど深く熱い愛情は、詩のなかに言葉となって溢れ出ています。
それは愛というものの温かみや優しさを超え、身のちぎれてしまうような鬼気迫る想い。

僕はあなたをおもうたびに
一ばんじかに永遠を感じる
僕があり あなたがある
自分はこれに尽きてゐる
僕のいのちとあなたのいのちとが
よれ合ひ もつれ合ひ とけ合ひ
渾沌としたはじめにかへる


『僕等』という詩の冒頭。僕とあなたのつくる世界の素晴らしさをここまで言い切る自信と、尽くされた言葉にもまだ収まりきらない情熱のあることがたしかに伝わってきます。
ひとりの男が最愛の女を見つめ紡ぎだした、ともすれば作者の心を満たすための言葉であり詩であるのに、決して読者を置き去りにせず、心にずんと染み入る濃密な愛の重みがあります。

文庫版『智恵子抄』も幾つかあるようですが、わたしのおすすめは280円文庫(ハルキ文庫)です。
「280円で名作を読もう。」というコンセプトで毎年10冊敢行されるシリーズで
今発売されているのは、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』、岡本かの子『家霊』、坂口安吾『堕落論』などなど。
こだわりある装丁もおしゃれで、巻末に載る現代歌人たちのエッセイも面白く読めます。
読もうと思って読めてなかった名作を、この機会にぜひ。


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