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2011年10月6日木曜日

文庫ガールオリジナルドリンク『チャイバニーガール』を販売中です!




フェア『秋の夜長に。文庫ガール100選』開催を記念して、
drole中目黒でオリジナルドリンク『チャイバニーガール』を販売しています!

“最初は甘く、徐々にスパイシーに、
それはまるで、したたかな女の恋”

『チャイバニーガール』は、
スパイスが効いているチャイに、お好みで蜂蜜を加えて召し上がって頂きます。

ひと口目は、泡だてられたミルクとシナモンの口当たりが柔らかく、甘い印象ですが、
徐々に、たくさん入れられた生姜が効いてきます。

スパイスが刺激的な恋を、バニーガールが女のしたたかさを、
そして蜂蜜が恋の蜜月期間を暗示している、
秋のガーリードリンクです。

肌寒くなってきましたが、これを飲めば体がポッカポカ!
うさぎのクッキーがついて650円ですので、お買い得ですよー。
店内のメニューにはレシピもついていますので、
ご自宅でお作り頂けます!

■販売期間:10月5日(水)~10月16日(日)
フェア『秋の夜長に。文庫ガール100選』の開催期間中となります。

フェアでは、秋の夜長の読書時間を演出する、
文庫本、the striplings candle
MilkVetch Candlesのキャンドル、あらきゆうこさん=mi-guの3枚のアルバム、宮園夕加さん
のボタンのしおり
を販売しています。
店内に展示している文庫本やキャンドルも購入頂けますし、
ご自由に手にとって、お席で文庫本を読んで頂くこともできます。

ぜひ、drole中目黒で、
チャイバニーガールを飲みながら文庫本を読んで頂き、
もし気に入って頂ければ、
キャンドルやCDやボタンのしおりや文庫本を買って、
自分の部屋で、自分で作ったチャイバニーガールを飲みながら、
充実した読書時間を過ごして頂けたら嬉しいです!

2011年9月29日木曜日

フェア開催!『秋の夜長に。文庫ガール100選』




読書の秋、文庫ガールは、“秋の夜長の読書時間”を演出するフェアを開催します!
その名も、
『秋の夜長に。文庫ガール100選』

読書の秋向けの文庫本フェアは数多く開催されると思いますが、
文庫ガールのフェアでは、
ガール向けの文庫本の選書&販売はもちろん、
文庫本を買って帰ったあと、実際に家で本を読む“読書時間”を彩る、
キャンドルとCDの販売も一緒にします!

心地よい音楽を流しながら、キャンドルを灯し、好きな文庫本を読む。
そんな秋の夜長を、過ごしてみませんか?

また、フェア『秋の夜長に。文庫ガール100選』は4店舗同時開催です!
書店からは、TSUTAYA三軒茶屋店TSUTAYA lifestyle CONCIERGE(ミッドタウン)。
フリーペーパー専門店のOnlyFreePaper
そして、カフェのdrole中目黒
drole中目黒では、
文庫ガールオリジナルドリンク『チャイバニーガール』の販売もいたします。

開催期間は、
10月3日~10月31日:TSUTAYA三軒茶屋店、TSUTAYA lifestyle CONCIERGE
10月3日~10月9日:OnlyFreePaper
10月5日~10月16日:drole中目黒

4店舗で微妙に異なるので、ご注意ください。

読書の秋、文庫ガールの秋がやってきました。
ぜひ『秋の夜長に。文庫ガール100選』フェアで、
読書時間を素敵に演出してください!

2011年9月10日土曜日

文庫ガールvol.2設置場所




現時点での『文庫ガールvol.2』を置かせて頂いている場所です。

【清澄白河】
東京都現代美術館 content
【渋谷】
・OnlyFreePaper
・SHIBUYA PUBLISHING&BOOKSELLERS
・astral lamp
・benci by MIDWEST CAFE
【代官山】
・drole daikanyama
・DAIRY FRESH STORE
【原宿】
・macaroni coast
・Annon Cook
【表参道】
・LOTUS
【六本木】
・TSUTAYA TOKYO ROPPONGI
・TSUTAYA lifestyle CONCIERGE
・IDEE CAFE PARC
【中目黒】
・drole nakameguro
・TORi
・ALASKA
【三軒茶屋】
・TSUTAYA 三軒茶屋店
・RAIN ON THE ROOF
・a-bridge
【飯田橋】
・hive cafe
【高円寺】
・えほんやるすばんばんするかいしゃ
【大阪】
・BOOKS DANTALION
・TSUTAYA 枚方駅前本店
【仙台】
・Lightsource

*すでになくなっている可能性もありますのでご了承ください。
*設置場所が増え次第、このページに追加していきます。
*10部から郵送も承っております。ご相談ください。

vol.2は、シアタープロダクツへのインタビューや安全ちゃんの書評など、
読み応えのあるものになっています。

置かせて頂ける場所やコラボレーションのお話など、絶賛募集中です!
よろしくお願いいたします。

*お問い合わせ
bunkogirl.info@gmail.com

2011年9月3日土曜日

9月4日(日)IDEE MARKETに出店します!




文庫ガールvol.2のお披露目も兼ねて、
9月4日(日)にミッドタウン3FのIDEE SHOPで開催される
『IDEE MARKET』に出店させて頂きます!

商品ラインナップは、
・「ミラクルで奇跡みたいな恋」というテーマでセレクトした文庫本
・「読書好きサングラスガール」としてコラボさせて頂いた、Zoffさんのサングラス
・「読書用ヘアスタイル」を提案して頂いたヘアサロンmacaroni coastのヘッドアクセ
・「文庫TOOLS」として、DAIRY FRESH STOREさんのBUN-SHIN TOTE BAGと文庫の上着
と、いわば文庫本を軸にしたセレクトショップといった趣です!

また、文庫ガール以外にも、魅力的なお店の方々がたくさん出店されています。

お時間ありましたら、ぜひお越しください!笑顔でお待ちしています!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■IDEE MARKET @IDEE CAFE PARC
開催日:9月4日(日)
開催時間:11:00~日没まで




2011年8月12日金曜日

「ひな菊の人生」

本日のおすすめは吉本ばななさんの「ひな菊の人生」。
この作品、挿画を奈良美智さんが担当しており、
1冊でばななさんと奈良さんの作品を楽しめてしまう、
すごくおトクな文庫です。

家族、友情、恋、死…といったキーワードが思い浮かぶこの物語。
少しずつ何かを積み重ねるような展開は、
「静謐」という二文字が似合うと感じましたが、
一方途中、挟み込まれるやきそばの描写や笛の音のエピソードなどが
とても鮮やかで、五感を刺激されます。

そして、奈良さんの作品は
あの柔らかい雰囲気を残しつつ、
物語の世界観にとても忠実。
思えば、吉本さんの作品が持つ独自の空気感は
奈良さんの作品につながるものがあるような気がします。
となれば、二人の息がぴたりと合うのも当然。
お互いの作品がそれぞれを高めあう、
理想のコラボ作品ではないでしょうか。

1ページ1ページ、大事にめくりながら
読み進めていく、
そんな贅沢な読書をするなら、この1冊だと思います。


ではでは最後、今週おすすめのエンタメ情報はこちら、
現在公開中の映画「ちいさな哲学者たち」。
フランスのある幼稚園で哲学の授業を取り入れることになり、
そこに通う子供たちが3歳から5歳の間に
どういった話を交わしていったのか、
それを記録したドキュメンタリー映画です。
そんな小さな子供に哲学の話なんてできるの?
って思うかもしれませんが、いやいや、子供の力はあなどれません。
大人よりも本質的な部分をズバズバ突く発言に
きっとドキッとさせられると思います。
上映館がちょっと少ないのですが、
この夏、かわいらしい哲学者たちがすくすくと育つ様子は
絶対見逃せませんよ~!

2011年8月10日水曜日

『悲しき玩具』

本日ご紹介するのは280円のハルキ文庫より。
石川啄木『悲しき玩具』です。

この一冊には、「我を愛する歌」と晩年の病んだ身を詠った歌を
多く含む「悲しき玩具」の2編が収録されています。

啄木の歌は生活の中で感じた感傷や、小さな喜びを率直
に表現した、わかりやすい歌で有名です。
ですが、テーマがシンプルなだけに、そんな場面にも感じ入ることがあるのかと
ハッとさせられる歌ばかり。

「ある朝のかなしき夢のさめぎわに 鼻に入り来し 味噌を煮る香よ」
「ある日のこと 室の障子をはりかえぬ その日はそれにて心なごみき」
ひと月にいっぺんは起こりそうな、何でもないことなのに、
歌にされると、なんとなく「こんなことあるなぁ…」としみじみしてしまいますよね。

なにかと感傷的になる(?)夏の夕方などには、ぼんやりと啄木の歌を味わうのも
いいのではないでしょうか。





2011年8月5日金曜日

「ファイアースターマン日記」

失恋をきっかけに体調を崩し、
仕事をなくしてしまった女子、マリノが主人公。
なんとか社会復帰を!と始めたアルバイトは
インターネット上のキャラクター、
「ファイアースターマン(FSM)」になりきって、
いろんなユーザーと交換日記をすること。

「日記」というからには
かなりパーソナルな内容をユーザーは書き込んできます。
それに対してファイアースターマン(=マリノ)は
相槌を打ったり、
いさめたり、
叱咤激励したり。
さらにいろんな偶然も重なって、
ユーザーの悩みをこっそり解決に導いたりもしてしまいます。

たかが交換日記。
されど交換日記。
そこから思わぬ方向に話が広がるので、
引っ張られるようにして読み進めてしまいました。


そして、この話は作者のD[di:](ディー)が
FSMとなって読者に向けて書いた手紙、
みたいな面もあるのではないかと思ったり。
テンション高めのFSMの返信日記には、
登場人物だけでなく、
読んでいる私たちにも響く言葉が見つかるのでは!?
前書きでD[di:]はこう結んでいます。

「この本を手にとってしまったあなたにとって
悲しいときや、寂しいときに開く本となることを切に願って」

ホントにその通り
ちょっと疲れちゃったな・・・なんて時、
ぎゅっと自分を包んでくれたあと、
元気をくれる一文に出会える本だと思いますよ。


そしてこの秋、D[di:]がルミネのアートイベント
LUMINE meets ART ~WOMANS~」に登場!
9/27~なので、
それまでにファイヤースターマン日記を読んで、
D[di:]の世界を予習しちゃいましょう~!

2011年8月4日木曜日

『永すぎた春』

本日紹介する文庫は、三島由紀夫『永すぎた春』。

優秀な大学の法学部生である郁夫と彼の通う大学の前にある古本屋の娘百子は、
家柄の違いから起こる両家のぎくしゃくとした関係をなんとか乗り越え婚約を果たします。
しかし、そこには郁夫が大学を卒業するまで結婚は待たねばならないという条件がつけられ、
一年三ヶ月という永い間、二人は一緒になることをその日が来るまで我慢するのでした・・・。

婚約という契りを結ぶことで二人の仲は周囲に認められ、
あとはただ結婚までの日々を幸せに過ごせるようにも見えたのに、
そのとき何か物足りなく思う心が二人の心に生まれたのは何故でしょうか?
お互いを想う心は二人だけの秘めごとであったほうがより燃え上がるのかもしれません。
公認の仲となってしまえば周囲の人々は好き勝手に二人を見てああだこうだと言いだすそれは、
幸福な二人の生活の邪魔となりときに危機をもたらします。

三島由紀夫の作品は数々残っていますが、彼の人物を描く巧さにはハッと驚かされます。
人間の細かな行動にまで目を行き届かせその描写によって性格や心情を書き当てる方法が
読んでいるわたしたちの共感を実にうまく得てゆくのです。

そして、夏のこの季節に、ぜひ三島由紀夫を!と思うのは、
彼の作品に出てくる海がとても美しいためです。
読んでいるだけできらきらと輝き波立つ海辺が目の前に広がり、
夏の暑く重い空気をすっと涼やかなものに変えてくれることでしょう。
『潮騒』や『真夏の死』といった名作も、この夏一読の価値あり、とおすすめ致します。

2011年8月3日水曜日

『ひとりずもう』

本日ご紹介するのはさくらももこさんのエッセイ
『ひとりずもう』です。

このエッセイは作者の中学生~高校生のころのお話。
男子・オシャレ・部活など…思春期ならではの悩みが
ユーモアと、そしてちょっぴり切なさをこめて描かれます。
時代は違えど、女の子なら「あのころああいうことで悩んだな~(笑)」
とか「こういうのが一番楽しかったなぁ…」と共感する体験ばかり。

このエッセイはあとから上下巻で漫画版も発売されました。
私の印象では漫画版のほうが少し切なさの要素が強いかんじ。
エッセイでは笑い、漫画では青春時代の淡い期待感やほろ苦い気持ち
を味わうといったように、異なったかたちで作品を楽しめます。
もし「読んでみようかな~」と思ってくださった際は、
その時の気分にあわせてエッセイか漫画かを
選んでみてくださいね♪

2011年7月29日金曜日

drole×文庫ガール オリジナルドリンク『レモネードガール』を販売します!




この夏、文庫ガールは素晴らしいコラボレーションをさせて頂くことになりました!

なんと!今年10周年を迎える素敵なカフェ『drole代官山』さんで、
文庫ガールオリジナルドリンク『レモネードガール』を販売して頂きます!

レモネードガールとは、
レモンとグラニュー糖とハチミツで作ったシロップをお水でわり、
レモンスライスと赤すぐりとミントを浮かべたサマードリンクです。

ご注文頂くと、カフェにある文庫ガール100選の中から、
お好きな文庫本を1冊お持ち帰り頂けます。

カフェにはレシピも置いてあるので、
ぜひご自身で作って、文庫本とともに夏のおでかけのお供にしてください!

販売期間は、8月1日~8月31日の1カ月間。

とろりと甘く、ほんのり酸っぱい。
それはまるでひと夏の恋のような味。

文庫ガールオリジナルドリンク
『レモネードガール』
ぜひ、ご賞味あれ。

「卵の緒」

今日おすすめする1冊は瀬尾まいこさんの「卵の緒」
「卵の緒」と「7's blood」という短編2編が収められていますが、
どちらも「母は強い」と思わせてくれる作品です。

女の子はみんな「お母さん」になる可能性があるわけで、
一度や二度「お母さんになったら・・・」っていう
想像はしたことがあると思います。
その時、どんな想像しました?
料理上手なお母さん?
それとも教育ママ?(笑)
すでにお母さんになってる人は
現在進行形で試行錯誤している最中ですよね。
(日々、意識はしてなくても)
人それぞれ、いろんなカタチの
「お母さん像」があると思いますが、
この話は一つの参考になるのではないでしょうか。


今週末、天気はあいにくの空模様となりそうですが、
その分暑さは控えめになるみたいなので、
疲れた身体を休めるにはちょうどいいかもしれません。
今日から東京国際フォーラムで「東京アートフェア」が始まっています。
国内外のギャラリーが一堂に集結し、
古美術から現代美術までさまざまな作品を
見て・買えるイベントです。
昨日行われた内覧会の様子をチラ見したところ、
やはりおもしろい作品が多数出品されているようなので、
この週末は有楽町へのお出かけをおすすめします!

2011年7月27日水曜日

『長くつ下のピッピ』

本日おすすめする文庫は、岩波少年文庫から。
『長くつ下のピッピ』です。

ピッピはスウェーデンの小さな町のごたごた荘という家に
すむとっても力持ちで不思議な女の子。海賊船の船長であるお父さんと海で
離れ離れになり、1人でこの家に暮らしています。
ピッピの隣に住むトミーとアンニカという兄妹は、彼女が
大好きで、3人はいつもいっしょ。
サーカスにいったり街にキャンディーを買いに行ったり…。
どこにいってもピッピは楽しい騒動をまきおこします。
彼女のしてくれる面白い話や、すてきなプレゼント、そして勇気ある行動は
トミーとアンニカ、そして他の子どもたちの目にとても魅力的に映るのです。

ほら話がすぎるゆえに、時に大人から理解してもらえないことも
あるピッピですが、彼女の心はほんとうにまっすぐでそして澄んでいます。
そのときおり見せる純粋さは、大人の読者の胸にもなにか響くものがあります。

ピッピシリーズは全部で3作。どれも楽しくて夢があって、そして何か
優しい気持ちになれるお話ばかり。
児童文学ですが、ぜひ大人の方にもよんでいただきたいシリーズです。

2011年7月22日金曜日

「ワセダ三畳青春記」

時はバブルの絶頂期。
早稲田大学正門から徒歩5分、
三畳一間の広さで月1万2千円、という
いろんな意味で「破格」の「野々村荘」で暮らし始めた
著者の11年間をまとめたお話がコチラ。

なにしろタイトルに出てくる単語が
「ワセダ」
「三畳」
「青春」。
大方の人が予想するとおり、
男くさくて
出てくる人は超個性的な面々。
エピソードの1つ1つが際立っています。
この面白さは本文でぜひ味わってほしいので割愛しますが、
「バカだなぁ~(苦笑)」
と思う一方、
なぜかそのバカさ加減がちょっとうらやましかったり。
女子にはなかなかできない開放感がある、っていうんでしょうかね。

そしてこの話、
単なる「バカ話で面白い」というだけではなくて。

最初大学生だった著者が
30歳を過ぎ、バブルもはじけ、
野々村荘に住むメンツも変わるあたりから
話の流れが今までと違う方向に流れ始めます。

でもそれは決してネガティブではなく、
なんとなく
「人には転記ってものが訪れるんだな」と
背中を押してもらえる展開です。

全体を通して
フリーダムな空気が流れている作品なので、
読んでると細かいことが
(いい意味で)どうでもよくなってくる気がします。
「ちょっと最近行き詰ってるんだよなぁ」という人には
特に良いかもしれません。
パツパツした雰囲気を緩めたい時、
肩の力を抜きたい時に
このお話をどうぞ!


早くも世の中の子供や学生さんたちは
夏休みに入ったみたいですね。
目黒区美術館では明日から
「スケッチブックの使い方」
という展示が始まり、
会期中ワークショップが開催されます。
一部抽選制ですが、
大人も子供も参加できる催しで、
とても「夏休み」っぽい企画。
日程を確認して申し込んでみてはいかがでしょうか?

2011年7月21日木曜日

川端康成『古都』

台風が行き過ぎ、いつになく涼しい夏の朝ですね。
本日紹介する文庫は、川端康成『古都』。
京都の移ろいゆく季節を背景にその土地や自然の動きを絵に写すように丁寧に拾い上げ、
物語に登場する少女たちの心の細かな揺らぎとともに日本の情緒を美しく表現しています。

実はこの作品、あとがきにて著者が睡眠薬に酔って書いた「異常な所産」だと告白しています。
名作と呼ばれる『雪国』とはまた別の、揺れのある文体が
しかし読んでいるこちらの気分までゆらゆらと揺らし陶酔させるようで心地よいのです。

絵巻物のように描かれる京都の一年。
読んだあとはきっと春夏秋冬、どの季節も古都を訪れこの目でその景色を確かめ味わってみたくなります。
日本の奥ゆかしさを日本語のもつ美しさとともに堪能してみては?

2011年7月20日水曜日

『ももこのいきもの図鑑』

本日おすすめするのは、抱腹絶倒エッセイで有名なさくらももこさんの
『ももこのいきもの図鑑』です。

ミミズやカブトムシといった虫、ウサギなどのかわいい動物、
ラクダやクジャクなどの珍動物までありとあらゆる「いきもの」
についての、さくらももこさんの思い出が爆笑必須の文体で
綴られています。
私の一番のオススメはインコのお話。
お祭りで買ってきたインコがあっという間に息絶えてしまった
という一見切ない思い出を語っているかと思いきや、
やはり最後の展開はさくら流のユーモアで笑わせてきます…。
オールカラーのかわいい動物たちのイラスト(ゴキブリすらも
ファンシーな雰囲気をまとっています)とともに、
めくるめくさくらももこワールドをぜひお楽しみください。


2011年7月15日金曜日

「南の島のティオ」

本日のオススメは
夏になったら読みたくなる1冊「南の島のティオ」です。

とある南の島が舞台。
そこに住む少年ティオと島民や島を訪れた人たちが織り成す物語です。
元は児童文学として発表されたもので、
中もいくつかの短編に分かれているため
多くの人にとって読みやすいお話だと思います。
「南の島に行きたいけど、今は行けない!」
そんな時にはうってつけではないでしょうか。

ただし、ここにはショッピングモールも
豪華な食事も、
ダイナミックなショーもありません。

代わりにあるのは、
きれいな海と島の透明な空気を吸って生い茂る緑や
不思議な力をもつ島の精霊・神様、
そしてこの島を愛する人たち。

このお話の主人公ティオは
私たち読み手側からすると
「たいへん優秀なツアーガイド」です。
話を進めるフリをして、
私たちを島のあちこちに連れて行ってくれる。
そしてそこで私たちは不思議なことを見聞きして、
現実の世界に戻ってくる。
1つ1つのお話が、私たちにとっては
短い、けれど濃厚なショートトリップになっているように思えます。

どうしても現実と向き合わざるを得ないことの多い世の中ですが、
事実ばっかりに目を向けてしまうと
ちょっと疲れちゃいますよね。
それに人間には「想像する」という力があるのですから、
それを使わないのはもったいない。
このお話はちょっと不思議な話や力の作用でストーリーが進みます。
ぜひ空想の羽を全開にして楽しんでください。


2011年7月13日水曜日

センチメンタルビューティー 竹久夢二美人画展

おはようございます。
梅雨も明けてすっかり夏になりましたね。
浴衣姿の女性を見るにつけて、日本女性の風情にはっとさせられる。
そんな季節です。

その日本女性の風情を美しく描き出した大正期の画家に、竹久夢二がいます。
彼の美人画は、ニュアンスたっぷりの色遣いと繊細な筆遣いが本当に見事。
夢二作品に初めて出会った時、そのモダンな雰囲気に思わず夢中になってしまいました。

その夢二の作品が鑑賞できるのが、東京・本郷の竹久夢二美術館。
東京大学のお隣にある、ちいさな美術館です。
現在開催中の展示会は「センチメンタル・ビューティー 夢二式美人画展」
夢二美人画誕生までの過程を知り、美しい作品群を堪能できる展覧会となっています。
静かでひんやりとした心地のいい美術館なので、ぜひ暑い休日に訪ねてみては
いかがでしょうか?
そしてその際は夢二の洗練されたイラストによる、ミュージアムショップのグッズも
チェックをお忘れなく♪
文庫につけるブックカバーも、素敵なものがありますよ~。

(ちなみに下の画像は、竹久夢二の書いた童話集。もちろん表紙絵と挿絵も夢二。
こちらはちょっと…シュールな内容だったような気がします。結構前に読んだので
あまり覚えてないですが…。)

2011年7月8日金曜日

「本業失格」

今日のおすすめは「本業失格」。
「暮しの手帖」の編集長、松浦弥太郎さんのエッセイです。
どんなにささくれた気分も
この本を開けば
穏やかな弥太郎節がたちまち収めてくれそうな、
そんな気がします。

「本」とか「読書」を取り上げると
とても「個人的」というか「限定的」というか、
すごく感覚的な表現で申し訳ないのですが、
「矢印の向きが内側に向かいやすい」気がします。
この本にはどうもそういった空気がないなぁ、と思って
はて、そのヒケツはなんだろう?
と考えた結果、
本を通じてたくさんの人が登場するからではないか、
という仮説に行き当たりました。
古本屋の主人だったり、
友人だったり、
ニューヨークのホテルのフロント係だったり。
直接本に関係ない登場の仕方もありますが、
どの人もちょっとクセのある雰囲気で、
松浦さんを取り巻く人たちが
この本の魅力の一角を形作っていると思います。

あと、外国の本屋にそうそう行くチャンスがない人は、
この本で妄想旅行するのもオススメです(笑)
私は「チェリーヒルの古本屋の話」を何度も読み返しては
心をアメリカに飛ばしてます。
ちょっとチカラを抜きたいときに
手に取るといいかもしれません。

さて、今東京ブックフェアの真っ最中ですが、
次にくるのは「東京アートブックフェア」ですよ。
来週16日~18日の3日間、 3331 Arts Chiyodaにて。
こちらも個性豊かな本に出会えること間違いなし!
ぜひ詳細をご確認の上、お出かけください!

2011年7月7日木曜日

280円文庫 『智恵子抄』

七月七日。今日は七夕ですが、あいにく朝から雨のところが多いようです。
七夕に降る雨を催涙雨(酒涙雨)と呼ぶのだそう。天の川の水かさが増し織姫と彦星が会えなくなってしまう、すると二人は悲しい涙を流しその涙が空から降ってくるのだと言われています。
夜までに止むでしょうか。織姫と彦星が出会えることを願いましょう。

どしゃ降りでなければ涼しいので浴衣で出かけるなんてのもいいですね。
東京都内の七夕のイベントを幾つか紹介します。

●東京タワー 七夕特別企画『天の川イルミネーション』
【開催期間】2011年6月1日(水)~7月10日(日)
http://www.tokyotower.co.jp/cgi-bin/reg/01_new/reg.cgi?mode=1&no=1472

●東京大神宮 七夕祈願祭
【開催期間】2011年7月7日(木)
http://www.tokyodaijingu.or.jp/saiten/saiten_07/index.html

●神田明神 七夕祭
【開催期間】2011年7月7日(木)
http://www.kandamyoujin.or.jp/event/detail.html?id=14&m=07


さて、織姫と彦星とはまた別の、しかし苦しいほどに強く惹かれ愛し合った二人がいました。
紹介する文庫は、高村光太郎『智恵子抄』です。
詩人であり彫刻家の光太郎と洋画家の智恵子。そんな芸術家の二人が出会い結ばれ、二十七年間の夫婦生活の末、智恵子が死してもなお注がれた光太郎による尋常一様でないほど深く熱い愛情は、詩のなかに言葉となって溢れ出ています。
それは愛というものの温かみや優しさを超え、身のちぎれてしまうような鬼気迫る想い。

僕はあなたをおもうたびに
一ばんじかに永遠を感じる
僕があり あなたがある
自分はこれに尽きてゐる
僕のいのちとあなたのいのちとが
よれ合ひ もつれ合ひ とけ合ひ
渾沌としたはじめにかへる


『僕等』という詩の冒頭。僕とあなたのつくる世界の素晴らしさをここまで言い切る自信と、尽くされた言葉にもまだ収まりきらない情熱のあることがたしかに伝わってきます。
ひとりの男が最愛の女を見つめ紡ぎだした、ともすれば作者の心を満たすための言葉であり詩であるのに、決して読者を置き去りにせず、心にずんと染み入る濃密な愛の重みがあります。

文庫版『智恵子抄』も幾つかあるようですが、わたしのおすすめは280円文庫(ハルキ文庫)です。
「280円で名作を読もう。」というコンセプトで毎年10冊敢行されるシリーズで
今発売されているのは、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』、岡本かの子『家霊』、坂口安吾『堕落論』などなど。
こだわりある装丁もおしゃれで、巻末に載る現代歌人たちのエッセイも面白く読めます。
読もうと思って読めてなかった名作を、この機会にぜひ。


2011年7月6日水曜日

『こんなふうに食べるのが好き 10人のこだわり 10人のおいしい』

おはようございます。今朝の東京も快晴!うれしいですね~。
そんな気持ちのいい朝は、
さっぱりとおいしい朝食で始めたいものです。

みなさんは朝はパン派でしょうか?ごはん派でしょうか?
わたしはもっぱらパン派で、
8枚切りのトーストを毎朝せっせと焼いては食べています。

トーストの食べ方にもバター、ジャム、プレーンなど
人それぞれ好みがあると思うのですが、
すごーくおいしそうな食べ方を、本で見つけてしまいました。

今日ご紹介するのはその本。
パンのレシピやフードスタイリングで活躍する、
堀井和子さんのエッセイ。
カメラマンや本屋さんのスタッフなど、
すてきな10人のテーブルまわりのこだわりについて、
堀井さんが見聞きしてきたことのノートのような一冊。
公文美和さんのうつくしい写真と堀井さんの文章が
寄り添って、「目においしい」仕上がりとなっています。

さて、先ほど書いたトーストの食べ方、
こちらをご紹介せずに終わるわけにはいきませんね。
このトーストははカメラマン公文さんのレシピ。
まず焼き網の上にパンを置いて、その網をガス火にかざします。
パンをきつね色に焼いたら、その上にちょんちょんとバターを
ちらす。
さらにその上からフワッと和三盆をまぶす。

う~ん。おいしそう。


2011年7月5日火曜日

こんにちわ。
みなさん、マンガはお好きですか。
最近はマンガも文庫サイズのものがたくさんあってうれしいですよね。
そのなかで今回紹介するのは、「動物のお医者さん」です。
このマンガの舞台は自然豊かな北の大地、北海道。(こうも暑いと彼の地に憧れてしまいますね。)
とある大学の獣医学部で動物のお医者さんを目指して日々奮闘する男子二人のドタバタコメディです。
出てくるワンちゃんもねこちゃんも教授もみんな個性的でたいへん。
からから、笑ったあとにほっこりさせられる、そんな素敵なマンガです。
二階堂のシャツの柄に注目しながら読むことをおすすめします。

2011年7月3日日曜日

女子の生きざま

7月に入ったばかりだというのに、この暑さ。
夏ですね。

夏服は可愛いけれど露出が増えるし、ダイエットやら色々お手入れが必要!

汗をかいたらお化粧も落ちてしまうし、紫外線対策だってしなくっちゃ!!

そう!女子でいるということは、そりゃあもう、タイヘンなんです!!!

そんな女子の生態について、
あのリリー・フランキーさんが愛あるダメ出しと指導(?)をしてくれるこの一冊。

『女子の生きざま』

ガーリーな表紙からは似ても似つかないようなハードな内容ですが(笑)、
文庫ガールの皆さんも怖いもの見たさで覗いてみては??

※ただし皆さんのガール度が下がってしまっても、一切責任は持てません。

2011年7月1日金曜日

「武士道シックスティーン」

7月になるとなんだか「夏本番!」という気がして
昨日の暑さと今日の暑さがなんだか違うように思えるのは
私だけでしょうか?
暑い暑いとウダっているところに
気合を入れてくれそうな1冊を今日はご紹介。
誉田哲也さんの「武士道シックスティーン」です。

漫画化・映画化もされているので、
ご存知の方も多いかもしれませんが、
小説が未読であれば
間違いなくほかの魅力が見つかると思います。

剣道と二人の女の子を中心に進むこの物語は
全然乙女チックじゃないし、
コスメもジュエリーももちろん出てこないけれど、
なんかものっすごいキラッキラしてるように
感じられたんですよね。
主人公の香織と早苗はまったく正反対の性格だけど、
まっすぐな気持ちを持っている、というところだけは一緒。
その一本筋が通っているところが、
その輝きを感じる所以かもしれません。

家とか、家族とか、
チームメイトととの関わり方なんかにも
たくさん悩んで、考えて、
次の道を切り開いていく姿はすがすがしいの一言。
単なるスポ根モノじゃないです。


私、剣道のことは何にも知らなくて
読み始めたんですけど、
練習や試合の緊迫感がビシビシ伝わる描写がすごくて、
しまいには
「あぁ、ちょっとやってみたいかも・・・」
と思うほど。

作中、思わず息をするのも忘れてしまうような
白熱した試合が続くので、
読む際は熱中症にかからないように
スポーツドリンクを片手にぜひ。


そして、来週の今頃は「東京国際ブックフェア」の真っ最中!
一般の人も行ってみることができるので、
無料の招待券を申し込んでおきましょう。
(招待券がないと1200円の入場料)
広さ・出展数がハンパないので、
できれば2日に分けて回りたいところですが、
なかなかそこまで時間が取れないと思うので
会場のレイアウト図を見て、
回るブースのメドを立てておくのが
1つのポイントかもしれません。
どんな本に会えるのか楽しみですね~♪

2011年6月30日木曜日

『桜の園』

本日紹介するのは、チェーホフ『桜の園』です。
およそ100年も前に描かれたこの戯曲は、今なお様々な演出家たちによって解釈しなおされ再演される不朽の名作。
地主であった貴族階級が資本主義の中で没落し新たなブルジョワジーが勃興してゆくさまが桜の園を舞台に美しく描かれています。
誰しも生まれ育ったその土地に対する思いは、大人になっても消えずに残っているものでしょう。
昔の思い出は頭の中で美化され、「あの場所に行けばきっとあの頃の自分が取り戻せる」などと幻想を抱くこともあるかもしれません。
女地主のラネーフスカヤはうまくいかない人生に途方に暮れて古い領地である桜の園に戻ってきて、
「飛んで跳ねて、両手を振り回したい」と言うほどに心は浮かれ昔の夢に浸かるも束の間、
その土地を売りに出さざるを得ない状況に陥ってしまいます。
この物語には十数人の人物が立ち代り登場し、誰かが誰かを愛していたり憎んでいたりと
様々な人間模様がいささか複雑に描かれているのですが、
なかでも母親でもあるラネーフスカヤが感情も露わに子供のように泣き喚く姿を
娘の恋人である聡明な大学生トロフィーモフがあやすように静かに諭す場面はなんとも印象的です。

トロフィーモフ「・・・昔の夢ですよ。気を落ち着けてください、奥さん。いつまでも自分をごまかしていずに、せめて一生に一度でも、真実をまともに見ることです」
ラネーフスカヤ「・・・わたし、なんだか眼が霞んでしまったみたいで、何一つ見えないの。あなたはどんな重大な問題でも、勇敢にズバリと決めてしまいなさるけど、でもどうでしょう、それはあなたが若くって何一つ自分の問題を苦しみ抜いたことがないからじゃないかしら?・・・」


歳を重ねれば重ねるほど、眼に見えてくるものと見えなくなってしまうものがあり、生きてゆく故の辛さをやり切れない感じたそのとき、支えとなるのは心にある思い出なのかもしれません。思い出はいつまでも色褪せず、振り返っては磨き輝かせて大切にとっておくべき宝物。

普段小説をよく読む人にとって、セリフの飛び交う戯曲を読む行為は新鮮なはず。
海外の読み物はカタカナの名前をつい混同させてしまいがちですが、
常に頭に人物相関図を描きながら、そして舞台での上演を想像しながら読み進めるのは
なかなか面白い体験となることでしょう。

2011年6月29日水曜日

『日々が大切』

おはようございます。
今日おすすめする文庫は大橋歩さんのエッセイ。
『日々が大切』です。

手提げ袋や長靴などの日々の雑貨や、
お気に入りの人物の本屋さんやカフェについて、
洗練された大橋さんのセンスがのぞける一冊。

文章だけでなく、かわいくてちょっとキッチュな
イラストも織りこまれていて、読んでいて
とっても楽しいです。

どの章もそれぞれ面白いのですが、
特に私が気に入っているのは
「四季折々のプレゼント」という章。

もらって嬉しいもの、ちょっと困るものなど
誰にも媚びずに正直な思いを書いてくれる
大橋さんの「プレゼント」に関するこだわり。
具体的な商品名などもまじえて
すてきな贈り物がいろいろ紹介されているので、
誰かに贈りものをするときには、
参考になることまちがいなしです。

そういえばこないだ渋谷の東急のお菓子売り場を
歩いていた時、大橋さんもお気に入りの
豊島屋の鳩サブレを目にしました。
売り場を見てみると、5枚入りの500円の手提げ箱
がとってもかわいい!
ピンクと黄色の二種類で、それぞれ違う「鳩三郎」
のイラストが描いてあるのです。

コンビニのお菓子もおいしい昨今ですが、
たまにはデパートのお菓子をおみやげにしてみては
いかがでしょう?
上の鳩サブレのように、
お手頃なものも結構ありますので。
センスよく包装されたおみやげは、
きっと家族にも喜ばれると思います。

2011年6月26日日曜日

『青空チェリー』

本日ご紹介する文庫は豊島ミホさんの『青空チェリー』です。

表題作の「青空チェリー」は、
第一回「女による女のためのR-18文学賞」で読者賞を受賞した作品です。

もしも“爽やかエロ”というジャンルがあったなら、
わたしはこの作品を真っ先に推薦します!

「〈変態条約〉って、お前は中二男子か!」

と思わず突っ込まずにはいられないようなノリで語られていく
〈18さい女子〉の秘密の告白は、

今までタブーとされてきた女の子たちのエロを
ポップキュート爽やかに昇華してくれています。

著者の豊島ミホさんは、現在お仕事を休まれているのですが、彼女の作品はどれも、
誰もが通ってきた思春期の心の葛藤をいじらしく切実に描いています。

まさしく今、その真っ只中の人はもちろん、もう過ぎてしまった人も、
「わかるわかるー!」と共感できる気持ちがギュッと濃縮されて詰まっているはず☆

ぜひとも次回の〈女子会〉の話題にいかがですか??

2011年6月24日金曜日

「夜は短し歩けよ乙女」

来ましたね。
暑さが。
ハンパないですね。
湿度も。
こんなに暑いと読書もなかなか進みませんよねぇ・・・。
となれば陽が落ちた後、
夕涼みがてらの読書はいかがでしょう。
今日は森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」をオススメします。

軽妙なタッチと
テンポのよい流れが特徴的な森見さんの代表作。
夜の京都の街があちらこちらに出てくるので
夕方以降に読むとより本の世界に溶け込めるのでは!?
と思ってご紹介してみました。

なんといっても個性的な登場人物と、
古の街・京都がかもし出す空気の濃さが絶妙なんです。
こんなこと絶対ありえないけど、
京都ならもしかして・・・いや、あって欲しい!
と思わずにはいられません。
それにこれを読んだら京都のそぞろ歩きも
楽しくなること間違いなし!

あ、そうそう。
登場人物の一人、黒髪の乙女はとーってもおいしそうにお酒を飲むので、
お酒の好きな方は、
お好みの一杯を一緒に用意しておくと、
いいかもしれません。


そして黒髪の乙女に触発されて、
夜の街を歩きたくなってしまった!!
・・・という場合、
この季節に出かけたい「ホタル鑑賞」へゼヒ。
はかなく、小さな光ですが、
日本人が昔から愛してきたやさしい明かり。
ホタルも昼間の暑さを忘れさせてくれるに違いありません。






(余談)
この作品、舞台化もされてて、
当時不安と期待を胸に
グローブ座に見に行ってきましたが・・・
見に行って良かったーーーッ!!
舞台でもしっかり小説の世界観ができあがっていて、
こちらもオススメです。

2011年6月23日木曜日

『村上ラヂオ』

だいぶ暑くなりましたね。
外に出ると蒸し蒸しとした空気に少しうんざりしつつ、
空の青色や木々の緑の濃く生き生きとした様子を見ては活力をもらいます。
夏が確かに近づいているのですね。

本日紹介するのは、暑苦しいときにも気分転換に読めるエッセイ、
村上春樹『村上ラヂオ』。
雑誌ananでの連載も大好評ですね。
文庫本には大橋歩さんの絵が添えられ、ほのぼのとした心落ち着く雰囲気を演出しています。
村上春樹は数々の長編小説を世に送り出していますが、なかでも映画化された『ノルウェーの森』などは読まれた方も多いかと。
一度読めば癖になるような独特の切り口や物語展開は、一体どんな頭のなかで創られるのでしょう。
このエッセイは特に何かを伝えようというものではなく、日常のなかで触れたひとつの事柄から派生して考えたことなどのつらつらと書かれた集積です。

夢のなかにベンツが出てきたのでうなぎを食べに行く。
柿ピーから夫婦関係について考える。
…なんとも面白い発想の仕方が無理なく読めて楽しい。

本書のなかで
「小説家というのはわりに変な(役に立たない)ものごとにこだわってしまう人種である」
と語られるように、目のつけどころとそこから想うことが突拍子もないくらいの人が、面白い小説を書くのかもしれません。
あらゆる小説を読んでいて、この人の書く文体が好き!とお気に入りの作家さんを見つけたら、エッセイにも触れてみてはいかが?
物書きの頭のなかを少しだけ覗けるかもしれません。

2011年6月22日水曜日

『チョコレート革命』

先週の水曜に引き続き、
今週も俵万智さんの歌集をご紹介します。

彼女の28歳から34歳までの間の歌を集めた
『チョコレート革命』という歌集です。

これには、旅先での思いを詠んだもの、
17歳で亡くなった少年の残した詩や文章に対する反歌
などが収録されていますが、
中でも惹きつけられるのは、
妻子ある男性との不倫関係から生まれた愛の歌。

先週ご紹介した『サラダ記念日』で
うたわれていたのは
日常的な愛のよろこび。
それに対し今作では、
非日常的な愛の苦しみや、理性の喪失がうたわれています。
非日常的でありながらも、
孤独感ゆえの感傷や、逆に一緒にいられる時間の尊さは、
歌という短剣になることで、
読む者の心に鋭く刺さるように伝わってきます。

しみじみと流れるような愛もいいけれど、
我慢できずに吹き出るような愛も、
人生のうちに一度経験してみたいものですね。


2011年6月21日火曜日

「銀のエンゼル―出会えない五枚目を探して」

「水曜どうでしょう」のミスターこと鈴井貴之監督作品、「銀のエンゼル」。
北海道のとあるコンビニを舞台に、そこで暮らす家族の心の交流を描いた映画です。
特に大きな事件が起きるではありませんが、それでも淡々と流れていく時間の中で変わっていく人々と、変わらない真っ白で広大な大地。
自然の美しさ、厳しさを直接肌で感じているような、そんな気にさせてくれる作品でもあります。

その、「銀のエンゼル」から数年後を描いたのが「銀のエンゼル―出会えない五枚目を探して」です。
上京したものの、不倫の恋に傷つき北海道へと帰ってきたユキ。ユキの帰省から揺れ動く家族。
映画と同様、家族の、人の、優しさ、暖かさがとても染み入ります。
これを読んで、少し家族のことに目を向けて見るのもいいかもしれません。

2011年6月20日月曜日

『星の巡礼』

私が本日紹介するのはパウロ・コエーリョの『星の巡礼』です。
【神秘の扉を目の前にして最後の試験に失敗し、奇跡の剣を手にすることができなかったパウロ。ふたたびその剣を手にするために残された唯一の道は、「星の道」と呼ばれる巡礼路を旅して、自分でその剣を見つけることだった。師ペトラスに導かれて、ピレネー山脈からサンチャゴへと続くスペインの巡礼の道を歩くパウロに様々な試練が課せられる。が、それは人生の道標を見つけるための偉大な旅であった・・・・。自らの体験を下に描かれた、スピリチュアリティに満ちたパウロのデビュー作。】

私がこの本を読むきっかけとなったのはTwitter上でミュージシャンであり映像作家の高木正勝さんの呟きを拝見したことです。

『星の巡礼』で描かれている「日常の中にある小さな奇跡の探し方」と、それに重ね合わせた自身のキューバでの体験がそこには書かれていました。

それを読んだ後、私はこの本を持って旅行に出かけました。旅先の、山の中をことことと走る電車の中で、高木さんの繊細なピアノに耳を傾けながらこの本を読み終えたのです。これは私の読書体験の中で最も大切なものとなりました。場所を選んで大切に読んで欲しい本の一冊です。


2011年6月17日金曜日

「きいろいゾウ」

昨日は皆既月食でしたねー。
ダイナミックな天文イベントはかなり気になりますが、
特に月は私たちの生活にかなり影響のある天体。
このタイミングを機に次のステージに向かい始める、
なんて人が多いかもしれません。
そんなワケで、今日のおすすめは西加奈子さんの「きいろいゾウ」。
月と関わりが深い1冊です。

旦那さんの名前が「無辜歩(むこあゆむ)」
奥さんの名前が「妻利愛子(つまりあいこ)」
「ムコ」と「ツマ」、この夫婦を中心にお話が進みます。

最初「これ、映画にしたい」って思う人、
多いんじゃないかなぁ、って気がしました。
自然があふれる田舎の様子や
憎めない個性豊かな登場人物、
そしてそれぞれが抱える「愛情」。
そんなにたくさん映画を見ない私でも
読んでいると、描写に触発されて
ほわ~っと頭の中で勝手に動画が流れるくらいだったので。

でも読み終わると、
「やっぱり活字がちょうどいいかも」
という気持ちに落ち着きました。
すごく繊細な物語なので、
映画館の大きなスクリーンや音は
なんかちょっと似合わない、
そんな気がして。

ほどよく現実とファンタジーが混ざり合ったあったかい物語。
太陽の下で読むのもいいけど、
これは月の光を感じながら読むと
一層しっくりくるかもしれません。


月食に加え、あの「はやぶさ」の帰還から約1年。
ちょっと宇宙や夜空が見たくなったら、
六本木の森アーツセンターギャラリーへ。
あのプラネタリウム・クリエーターの大平貴之さんがプロデュースする
スカイプラネタリウムⅡ」が開催中です。
6/26までなのでお急ぎください!


2011年6月16日木曜日

『軽蔑』

本日紹介するのは、中上健二『軽蔑』。
フリーペーパー『文庫ガール』でも紹介されているこの小説は
廣木隆一監督により映画化され、6/4より公開中です。

近ごろ小説や漫画を原作とした映画が多く撮られていますが、
皆さんは原作を読んでから映画を観ますか?それとも?
わたしはまず映画を観に行き、気に入ったものは原作に触れ振り返るというのが常です。
それは既に活字で読んだもののイメージが壊されるのを恐れるためかもしれませんが、
先に原作を読んでおくと、物語以外の映像や音楽の演出に目を向ける余裕ができますね。
楽しみ方はそれぞれ。

今回は原作を読まず映画を観た感想をもとに紹介してゆきます。
夜の繁華街で売れっ子ダンサーとして輝く真知子と博打に手を出しその日暮らしのお坊っちゃま、カズ。そんな二人の幸福を祝ってあげるほど世間は寛容ではなかった…。
洗練された色合いの映像と言葉よりも表情で見せる長い間の取り方、場面によく似合う音楽がこの悲壮感漂う物語を映画というひとつの芸術作品として見事に仕上げています。

なんと言っても、鈴木杏、高良健吾という二人の主演俳優による人間臭い迫真の演技が後を引きます。
「五分五分ね、」と言い合う二人。恋愛する男女の間に対等な関係を保つことほど大切で、しかしそれこそ最も難解なのでしょうか。
そして愛情は、相手に必要とされ頼られているという実感がなければ続かない。
しかし、そんな図式で表せるほど恋愛は単純でも論理的でもなく、
ときに感情に身を任せ、行く先は運命に委ねるというほど潔い心が導いてゆくのかもしれません。
・・・とこれ以上はネタバレになってしまいそうなので、ぜひ劇場にてどうぞ。
映画のなかのストーリーは小説と異なる部分もあるようなので、
原作を読んだ方もまた一味違う『軽蔑』を楽しめるはず。

映画『軽蔑』http://www.keibetsu.jp/index.html
角川シネマ有楽町、角川シネマ新宿他にて大ヒット上映中。

2011年6月15日水曜日

いまふたたびの『サラダ記念日』

おはようございます。

みなさん、短歌、スキですか?

個人的には、
三十一文字の潔さとか、
それゆえに選び抜かれた言葉たちの鋭さとか、
モロモロの理由で短歌はスキです。

そこで今日は、そんな魅力的な短歌たちにふれていただきたく、
かのベストセラー『サラダ記念日』をご紹介します。

いまさら紹介するほどでもないくらい有名な一冊なのですが、
出版されたのは1987年だから、いまハタチ前後の女の子は
読んでない人もいるのではないでしょうか。

もしまだ読んでいない方はぜひぜひ、
この歌集を一度ひらいてみてください。

そこで優しく、時に激しく詠われる
恋のよろこび、あたたかさ、もどかしさ、
恋にともなう別れのせつなさ、さみしさ。
ドラマチックな恋じゃなくて、
一人一人の女が出会う、当たり前の恋の中にある
そんな気持ち。

それを詠いあてられた時の衝撃や感慨は
並大抵のものではなく、
思わずアハレナリと
つぶやいてしまいそうになります。


いつもより一分早く駅に着く 一分君のこと考える

「また電話しろよ」「待ってろ」いつもいつも命令形で愛を言う君

君を待つ土曜日なりき待つという時間を食べて女は生きる

いまあげたのは私が気に入った歌たちの一部。

ほかにもたくさん、小粒の宝石のような歌たちが
『サラダ記念日』という箱の中にしまわれています。

昔のベストセラーだからと見過ごすには、
あまりに惜しい。
読めばきっと
あなたにとって宝物となるような一首が、
見つかることと思います。


2011年6月14日火曜日

「書を捨てよ、町へ出よう」

みなさん、本、読んでますか。
アメの音を背景に読書というのも乙なものですが、じめじめ梅雨の間のふと晴れた日には少し外へ、町へとでかけてみませんか、本なんて捨て置いて。

寺山修司「書を捨てよ、町へ出よう」はとっても刺激的なエッセイ集。
内に篭ってばかりじゃあ、つまらない。
たまには外の世界へ、思いっきり飛び出しましょう。
事実が小説より奇抜なことも、たまにはあります。


2011年6月10日金曜日

「ハニー ビター ハニー」

今日ご紹介する1冊は加藤千恵さんの「ハニー ビター ハニー」です。
表紙や中のイラストは漫画家のおかざき真里さん。
ドラマ化された「サプリ」の作者でもありますが、
この本の装画にうってつけの方ですね。
この小説はまさに「活字で読む少女漫画」。
ほろ苦い恋あり、
ハッピーエンドあり、
うわー、絶対ダメだよぉ・・・という展開あり。

作者の加藤さんはもともと短歌の世界でデビューした方なので、
その影響なのか
余白のある話作りがとても印象的です。
読み進めていると
「え、ここで終わっちゃうの?」
という話もあるのですが、
むしろこのちょっと尻切れトンボ気味で終わった話の方が
自分の中でじわじわ後を引いていきます。
(もちろんいい意味で)
その余韻を味わうのがとても短歌っぽいというか。
行間やその言葉の背後に
まだ世界が続いている空気感があって
長く深く楽しめます。
機会があればぜひ、このおいしいお話を味わってみてください。


そろそろ湿度が上がってきて
蒸し暑く感じる日が増えてきました。
特に今年は節電の都合もあり、
涼しく過ごす工夫が必要です。
肌触りのよい洋服を着たり、
打ち水をしたり、
冷たい食べ物を上手に取り入れたり・・・。
もし六本木近辺に行って「ひんやりスイーツで元気を出すぞ!」
ということであれば、こちらがオススメ!

「ミルク&パフェ よつ葉ホワイトコージ」

札幌にある人気店がミッドタウンにて9/29までオープン。
「9月なんてまだまだ先~」と思っていると
あっという間にですので、
食べ逃さないようにご注意くださいね!

2011年6月9日木曜日

『あけがたにくる人よ』永瀬清子詩集

詩集、というものを何か持っていますか?
詩というと、小説より短くて読みやすそうだけれど
なんとなく格式高い雰囲気に圧されて手を出しにくい、
そんな印象があるような気がします。

ちょうど季節が春から夏へと移りかけている今、
変わりやすい空模様や木々の葉色を見ていると、
気分が穏やかになったり、不安を煽られたりとあらゆる感情が巻きおこります。
そんなとき心に浮かんだ気持ちを言葉にあらわすのってとても難しい。
どこか陳腐な表現になってしまうのもなかなか恥ずかしい。
ならば、詩集を開いてみてはいかがでしょう。

詩は、言葉が少ない分だけひとつひとつに込められた意味が重く、
選び抜かれた単語とそれをつなぐひらがなの流れが
リズミカルであったり美しく繊細であったり。
そんな風に詠まれた素晴らしい詩が世の中には数多くありますね。
少し手をのばせば、きっとあなたが探していた言葉をつかって
今の心模様をうまく言い当ててくれる詩に出会えるはず。

さて、本日紹介する文庫は、女の子にはぜひ読んでもらいたい
詩人・永瀬清子の詩集です。
明治時代に生まれた彼女は弱冠19歳にして詩の道を志し、
結婚し農婦となり、母となり祖母となり、
女の一生を力強く自分らしく生き抜いて
82歳で他界するまでずっと詩を詠み続けます。

「彗星的な愛人」など初期の作品を読むと、
文体のみずみずしさと目のつけどころの良さ
言葉の示す深い意味の重みが心にのしかかってくるようです。
特に恋愛詩は、厳選された美しく儚い言葉たちによって
そこはかとなく漂う哀しみと切なさに惹かれるものがあります。
さらに驚くべきは、晩年詠まれた詩には少女の心が変わらず在るうえに、
年を重ねてきたが故に見えたものが巧みに表現されていて
二十代の女の子が読んでも心揺り動かされることでしょう。
「だましてください言葉優しく」「女のうたえる」「あけがたにくる人よ」
この三篇は特におすすめしたい作品ですので、ぜひ。

心のうちのあれこれを言葉にあらわす必要などないのかもしれません。
でも、素晴らしい詩に触れると心安らぐだけでなく目も豊かになり
いつもとは少し違う風に季節を楽しめる、そんな気がします。
梅雨の合間のよく晴れた日、散歩のお供には詩集を一冊。



2011年6月8日水曜日

『玉子 ふわふわ』

おはようございます。
文庫ガール創刊号、もうお手にとっていただけましたか??
昨日UPされた設置場所、センスのいいとこばかりですので、
まだ読んでない!という方はぜひ行ってみてくださいね!

さてさて、ここのとこ暖かめの日が続いていますね。
今朝は雨ですが、それでも朝の冷え込みが
ほとんど感じられなくなって、
朝もサッと起きて動けるようになりました(笑)

今朝も5時から起きて、
オムレツを作ってたべていたのですが
それは寒さのゆるみのおかげでだけではなく、
ある本を読んで無性にオムレツがたべたくなったから。

その本とは
早川茉莉さん編集の『玉子 ふわふわ』。
石井好子さんら37人の作家による
「玉子についてのアンソロジー」です。

オムレツ、卵かけごはん、目玉焼き…などなど、
しあわせでとびきりおいしいたまご料理のお話が
次から次へと語られると、
たちまちきいろいたまごが恋しくなります。




フライパンにバターをジュッととかして
ミルクでのばした卵をながしこみ、
くるくるとかきまぜて焼きあげる。
つけ合わせには玉ねぎの刻んだのを、
これもバターで狐いろにいためてくれた。
私はこのオムレツが大好きで毎朝たべてもあきなかった。

(森田たま「フライパン」より)

なんのことはない一節なのですが、
これを読んだら、


手作りのシンプルなオムレツが食べたくて
たまらなくなりました。

おいしいものがたくさんあふれる世の中ですが、   
たまには玉子のようなそぼくな素材に
目をむけてみてはいかがでしょうか?

満月のようにあたたかなきいろと、
裏切ることのないやさしくて豊かなあじ。
卵たちのそんな在りようを想像するだけでも、
きっと心がほっとするはずです。