2011年6月23日木曜日

『村上ラヂオ』

だいぶ暑くなりましたね。
外に出ると蒸し蒸しとした空気に少しうんざりしつつ、
空の青色や木々の緑の濃く生き生きとした様子を見ては活力をもらいます。
夏が確かに近づいているのですね。

本日紹介するのは、暑苦しいときにも気分転換に読めるエッセイ、
村上春樹『村上ラヂオ』。
雑誌ananでの連載も大好評ですね。
文庫本には大橋歩さんの絵が添えられ、ほのぼのとした心落ち着く雰囲気を演出しています。
村上春樹は数々の長編小説を世に送り出していますが、なかでも映画化された『ノルウェーの森』などは読まれた方も多いかと。
一度読めば癖になるような独特の切り口や物語展開は、一体どんな頭のなかで創られるのでしょう。
このエッセイは特に何かを伝えようというものではなく、日常のなかで触れたひとつの事柄から派生して考えたことなどのつらつらと書かれた集積です。

夢のなかにベンツが出てきたのでうなぎを食べに行く。
柿ピーから夫婦関係について考える。
…なんとも面白い発想の仕方が無理なく読めて楽しい。

本書のなかで
「小説家というのはわりに変な(役に立たない)ものごとにこだわってしまう人種である」
と語られるように、目のつけどころとそこから想うことが突拍子もないくらいの人が、面白い小説を書くのかもしれません。
あらゆる小説を読んでいて、この人の書く文体が好き!とお気に入りの作家さんを見つけたら、エッセイにも触れてみてはいかが?
物書きの頭のなかを少しだけ覗けるかもしれません。

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