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2011年6月30日木曜日

『桜の園』

本日紹介するのは、チェーホフ『桜の園』です。
およそ100年も前に描かれたこの戯曲は、今なお様々な演出家たちによって解釈しなおされ再演される不朽の名作。
地主であった貴族階級が資本主義の中で没落し新たなブルジョワジーが勃興してゆくさまが桜の園を舞台に美しく描かれています。
誰しも生まれ育ったその土地に対する思いは、大人になっても消えずに残っているものでしょう。
昔の思い出は頭の中で美化され、「あの場所に行けばきっとあの頃の自分が取り戻せる」などと幻想を抱くこともあるかもしれません。
女地主のラネーフスカヤはうまくいかない人生に途方に暮れて古い領地である桜の園に戻ってきて、
「飛んで跳ねて、両手を振り回したい」と言うほどに心は浮かれ昔の夢に浸かるも束の間、
その土地を売りに出さざるを得ない状況に陥ってしまいます。
この物語には十数人の人物が立ち代り登場し、誰かが誰かを愛していたり憎んでいたりと
様々な人間模様がいささか複雑に描かれているのですが、
なかでも母親でもあるラネーフスカヤが感情も露わに子供のように泣き喚く姿を
娘の恋人である聡明な大学生トロフィーモフがあやすように静かに諭す場面はなんとも印象的です。

トロフィーモフ「・・・昔の夢ですよ。気を落ち着けてください、奥さん。いつまでも自分をごまかしていずに、せめて一生に一度でも、真実をまともに見ることです」
ラネーフスカヤ「・・・わたし、なんだか眼が霞んでしまったみたいで、何一つ見えないの。あなたはどんな重大な問題でも、勇敢にズバリと決めてしまいなさるけど、でもどうでしょう、それはあなたが若くって何一つ自分の問題を苦しみ抜いたことがないからじゃないかしら?・・・」


歳を重ねれば重ねるほど、眼に見えてくるものと見えなくなってしまうものがあり、生きてゆく故の辛さをやり切れない感じたそのとき、支えとなるのは心にある思い出なのかもしれません。思い出はいつまでも色褪せず、振り返っては磨き輝かせて大切にとっておくべき宝物。

普段小説をよく読む人にとって、セリフの飛び交う戯曲を読む行為は新鮮なはず。
海外の読み物はカタカナの名前をつい混同させてしまいがちですが、
常に頭に人物相関図を描きながら、そして舞台での上演を想像しながら読み進めるのは
なかなか面白い体験となることでしょう。

2011年6月29日水曜日

『日々が大切』

おはようございます。
今日おすすめする文庫は大橋歩さんのエッセイ。
『日々が大切』です。

手提げ袋や長靴などの日々の雑貨や、
お気に入りの人物の本屋さんやカフェについて、
洗練された大橋さんのセンスがのぞける一冊。

文章だけでなく、かわいくてちょっとキッチュな
イラストも織りこまれていて、読んでいて
とっても楽しいです。

どの章もそれぞれ面白いのですが、
特に私が気に入っているのは
「四季折々のプレゼント」という章。

もらって嬉しいもの、ちょっと困るものなど
誰にも媚びずに正直な思いを書いてくれる
大橋さんの「プレゼント」に関するこだわり。
具体的な商品名などもまじえて
すてきな贈り物がいろいろ紹介されているので、
誰かに贈りものをするときには、
参考になることまちがいなしです。

そういえばこないだ渋谷の東急のお菓子売り場を
歩いていた時、大橋さんもお気に入りの
豊島屋の鳩サブレを目にしました。
売り場を見てみると、5枚入りの500円の手提げ箱
がとってもかわいい!
ピンクと黄色の二種類で、それぞれ違う「鳩三郎」
のイラストが描いてあるのです。

コンビニのお菓子もおいしい昨今ですが、
たまにはデパートのお菓子をおみやげにしてみては
いかがでしょう?
上の鳩サブレのように、
お手頃なものも結構ありますので。
センスよく包装されたおみやげは、
きっと家族にも喜ばれると思います。

2011年6月26日日曜日

『青空チェリー』

本日ご紹介する文庫は豊島ミホさんの『青空チェリー』です。

表題作の「青空チェリー」は、
第一回「女による女のためのR-18文学賞」で読者賞を受賞した作品です。

もしも“爽やかエロ”というジャンルがあったなら、
わたしはこの作品を真っ先に推薦します!

「〈変態条約〉って、お前は中二男子か!」

と思わず突っ込まずにはいられないようなノリで語られていく
〈18さい女子〉の秘密の告白は、

今までタブーとされてきた女の子たちのエロを
ポップキュート爽やかに昇華してくれています。

著者の豊島ミホさんは、現在お仕事を休まれているのですが、彼女の作品はどれも、
誰もが通ってきた思春期の心の葛藤をいじらしく切実に描いています。

まさしく今、その真っ只中の人はもちろん、もう過ぎてしまった人も、
「わかるわかるー!」と共感できる気持ちがギュッと濃縮されて詰まっているはず☆

ぜひとも次回の〈女子会〉の話題にいかがですか??

2011年6月24日金曜日

「夜は短し歩けよ乙女」

来ましたね。
暑さが。
ハンパないですね。
湿度も。
こんなに暑いと読書もなかなか進みませんよねぇ・・・。
となれば陽が落ちた後、
夕涼みがてらの読書はいかがでしょう。
今日は森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」をオススメします。

軽妙なタッチと
テンポのよい流れが特徴的な森見さんの代表作。
夜の京都の街があちらこちらに出てくるので
夕方以降に読むとより本の世界に溶け込めるのでは!?
と思ってご紹介してみました。

なんといっても個性的な登場人物と、
古の街・京都がかもし出す空気の濃さが絶妙なんです。
こんなこと絶対ありえないけど、
京都ならもしかして・・・いや、あって欲しい!
と思わずにはいられません。
それにこれを読んだら京都のそぞろ歩きも
楽しくなること間違いなし!

あ、そうそう。
登場人物の一人、黒髪の乙女はとーってもおいしそうにお酒を飲むので、
お酒の好きな方は、
お好みの一杯を一緒に用意しておくと、
いいかもしれません。


そして黒髪の乙女に触発されて、
夜の街を歩きたくなってしまった!!
・・・という場合、
この季節に出かけたい「ホタル鑑賞」へゼヒ。
はかなく、小さな光ですが、
日本人が昔から愛してきたやさしい明かり。
ホタルも昼間の暑さを忘れさせてくれるに違いありません。






(余談)
この作品、舞台化もされてて、
当時不安と期待を胸に
グローブ座に見に行ってきましたが・・・
見に行って良かったーーーッ!!
舞台でもしっかり小説の世界観ができあがっていて、
こちらもオススメです。

2011年6月23日木曜日

『村上ラヂオ』

だいぶ暑くなりましたね。
外に出ると蒸し蒸しとした空気に少しうんざりしつつ、
空の青色や木々の緑の濃く生き生きとした様子を見ては活力をもらいます。
夏が確かに近づいているのですね。

本日紹介するのは、暑苦しいときにも気分転換に読めるエッセイ、
村上春樹『村上ラヂオ』。
雑誌ananでの連載も大好評ですね。
文庫本には大橋歩さんの絵が添えられ、ほのぼのとした心落ち着く雰囲気を演出しています。
村上春樹は数々の長編小説を世に送り出していますが、なかでも映画化された『ノルウェーの森』などは読まれた方も多いかと。
一度読めば癖になるような独特の切り口や物語展開は、一体どんな頭のなかで創られるのでしょう。
このエッセイは特に何かを伝えようというものではなく、日常のなかで触れたひとつの事柄から派生して考えたことなどのつらつらと書かれた集積です。

夢のなかにベンツが出てきたのでうなぎを食べに行く。
柿ピーから夫婦関係について考える。
…なんとも面白い発想の仕方が無理なく読めて楽しい。

本書のなかで
「小説家というのはわりに変な(役に立たない)ものごとにこだわってしまう人種である」
と語られるように、目のつけどころとそこから想うことが突拍子もないくらいの人が、面白い小説を書くのかもしれません。
あらゆる小説を読んでいて、この人の書く文体が好き!とお気に入りの作家さんを見つけたら、エッセイにも触れてみてはいかが?
物書きの頭のなかを少しだけ覗けるかもしれません。

2011年6月22日水曜日

『チョコレート革命』

先週の水曜に引き続き、
今週も俵万智さんの歌集をご紹介します。

彼女の28歳から34歳までの間の歌を集めた
『チョコレート革命』という歌集です。

これには、旅先での思いを詠んだもの、
17歳で亡くなった少年の残した詩や文章に対する反歌
などが収録されていますが、
中でも惹きつけられるのは、
妻子ある男性との不倫関係から生まれた愛の歌。

先週ご紹介した『サラダ記念日』で
うたわれていたのは
日常的な愛のよろこび。
それに対し今作では、
非日常的な愛の苦しみや、理性の喪失がうたわれています。
非日常的でありながらも、
孤独感ゆえの感傷や、逆に一緒にいられる時間の尊さは、
歌という短剣になることで、
読む者の心に鋭く刺さるように伝わってきます。

しみじみと流れるような愛もいいけれど、
我慢できずに吹き出るような愛も、
人生のうちに一度経験してみたいものですね。


2011年6月21日火曜日

「銀のエンゼル―出会えない五枚目を探して」

「水曜どうでしょう」のミスターこと鈴井貴之監督作品、「銀のエンゼル」。
北海道のとあるコンビニを舞台に、そこで暮らす家族の心の交流を描いた映画です。
特に大きな事件が起きるではありませんが、それでも淡々と流れていく時間の中で変わっていく人々と、変わらない真っ白で広大な大地。
自然の美しさ、厳しさを直接肌で感じているような、そんな気にさせてくれる作品でもあります。

その、「銀のエンゼル」から数年後を描いたのが「銀のエンゼル―出会えない五枚目を探して」です。
上京したものの、不倫の恋に傷つき北海道へと帰ってきたユキ。ユキの帰省から揺れ動く家族。
映画と同様、家族の、人の、優しさ、暖かさがとても染み入ります。
これを読んで、少し家族のことに目を向けて見るのもいいかもしれません。

2011年6月20日月曜日

『星の巡礼』

私が本日紹介するのはパウロ・コエーリョの『星の巡礼』です。
【神秘の扉を目の前にして最後の試験に失敗し、奇跡の剣を手にすることができなかったパウロ。ふたたびその剣を手にするために残された唯一の道は、「星の道」と呼ばれる巡礼路を旅して、自分でその剣を見つけることだった。師ペトラスに導かれて、ピレネー山脈からサンチャゴへと続くスペインの巡礼の道を歩くパウロに様々な試練が課せられる。が、それは人生の道標を見つけるための偉大な旅であった・・・・。自らの体験を下に描かれた、スピリチュアリティに満ちたパウロのデビュー作。】

私がこの本を読むきっかけとなったのはTwitter上でミュージシャンであり映像作家の高木正勝さんの呟きを拝見したことです。

『星の巡礼』で描かれている「日常の中にある小さな奇跡の探し方」と、それに重ね合わせた自身のキューバでの体験がそこには書かれていました。

それを読んだ後、私はこの本を持って旅行に出かけました。旅先の、山の中をことことと走る電車の中で、高木さんの繊細なピアノに耳を傾けながらこの本を読み終えたのです。これは私の読書体験の中で最も大切なものとなりました。場所を選んで大切に読んで欲しい本の一冊です。


2011年6月17日金曜日

「きいろいゾウ」

昨日は皆既月食でしたねー。
ダイナミックな天文イベントはかなり気になりますが、
特に月は私たちの生活にかなり影響のある天体。
このタイミングを機に次のステージに向かい始める、
なんて人が多いかもしれません。
そんなワケで、今日のおすすめは西加奈子さんの「きいろいゾウ」。
月と関わりが深い1冊です。

旦那さんの名前が「無辜歩(むこあゆむ)」
奥さんの名前が「妻利愛子(つまりあいこ)」
「ムコ」と「ツマ」、この夫婦を中心にお話が進みます。

最初「これ、映画にしたい」って思う人、
多いんじゃないかなぁ、って気がしました。
自然があふれる田舎の様子や
憎めない個性豊かな登場人物、
そしてそれぞれが抱える「愛情」。
そんなにたくさん映画を見ない私でも
読んでいると、描写に触発されて
ほわ~っと頭の中で勝手に動画が流れるくらいだったので。

でも読み終わると、
「やっぱり活字がちょうどいいかも」
という気持ちに落ち着きました。
すごく繊細な物語なので、
映画館の大きなスクリーンや音は
なんかちょっと似合わない、
そんな気がして。

ほどよく現実とファンタジーが混ざり合ったあったかい物語。
太陽の下で読むのもいいけど、
これは月の光を感じながら読むと
一層しっくりくるかもしれません。


月食に加え、あの「はやぶさ」の帰還から約1年。
ちょっと宇宙や夜空が見たくなったら、
六本木の森アーツセンターギャラリーへ。
あのプラネタリウム・クリエーターの大平貴之さんがプロデュースする
スカイプラネタリウムⅡ」が開催中です。
6/26までなのでお急ぎください!


2011年6月16日木曜日

『軽蔑』

本日紹介するのは、中上健二『軽蔑』。
フリーペーパー『文庫ガール』でも紹介されているこの小説は
廣木隆一監督により映画化され、6/4より公開中です。

近ごろ小説や漫画を原作とした映画が多く撮られていますが、
皆さんは原作を読んでから映画を観ますか?それとも?
わたしはまず映画を観に行き、気に入ったものは原作に触れ振り返るというのが常です。
それは既に活字で読んだもののイメージが壊されるのを恐れるためかもしれませんが、
先に原作を読んでおくと、物語以外の映像や音楽の演出に目を向ける余裕ができますね。
楽しみ方はそれぞれ。

今回は原作を読まず映画を観た感想をもとに紹介してゆきます。
夜の繁華街で売れっ子ダンサーとして輝く真知子と博打に手を出しその日暮らしのお坊っちゃま、カズ。そんな二人の幸福を祝ってあげるほど世間は寛容ではなかった…。
洗練された色合いの映像と言葉よりも表情で見せる長い間の取り方、場面によく似合う音楽がこの悲壮感漂う物語を映画というひとつの芸術作品として見事に仕上げています。

なんと言っても、鈴木杏、高良健吾という二人の主演俳優による人間臭い迫真の演技が後を引きます。
「五分五分ね、」と言い合う二人。恋愛する男女の間に対等な関係を保つことほど大切で、しかしそれこそ最も難解なのでしょうか。
そして愛情は、相手に必要とされ頼られているという実感がなければ続かない。
しかし、そんな図式で表せるほど恋愛は単純でも論理的でもなく、
ときに感情に身を任せ、行く先は運命に委ねるというほど潔い心が導いてゆくのかもしれません。
・・・とこれ以上はネタバレになってしまいそうなので、ぜひ劇場にてどうぞ。
映画のなかのストーリーは小説と異なる部分もあるようなので、
原作を読んだ方もまた一味違う『軽蔑』を楽しめるはず。

映画『軽蔑』http://www.keibetsu.jp/index.html
角川シネマ有楽町、角川シネマ新宿他にて大ヒット上映中。

2011年6月15日水曜日

いまふたたびの『サラダ記念日』

おはようございます。

みなさん、短歌、スキですか?

個人的には、
三十一文字の潔さとか、
それゆえに選び抜かれた言葉たちの鋭さとか、
モロモロの理由で短歌はスキです。

そこで今日は、そんな魅力的な短歌たちにふれていただきたく、
かのベストセラー『サラダ記念日』をご紹介します。

いまさら紹介するほどでもないくらい有名な一冊なのですが、
出版されたのは1987年だから、いまハタチ前後の女の子は
読んでない人もいるのではないでしょうか。

もしまだ読んでいない方はぜひぜひ、
この歌集を一度ひらいてみてください。

そこで優しく、時に激しく詠われる
恋のよろこび、あたたかさ、もどかしさ、
恋にともなう別れのせつなさ、さみしさ。
ドラマチックな恋じゃなくて、
一人一人の女が出会う、当たり前の恋の中にある
そんな気持ち。

それを詠いあてられた時の衝撃や感慨は
並大抵のものではなく、
思わずアハレナリと
つぶやいてしまいそうになります。


いつもより一分早く駅に着く 一分君のこと考える

「また電話しろよ」「待ってろ」いつもいつも命令形で愛を言う君

君を待つ土曜日なりき待つという時間を食べて女は生きる

いまあげたのは私が気に入った歌たちの一部。

ほかにもたくさん、小粒の宝石のような歌たちが
『サラダ記念日』という箱の中にしまわれています。

昔のベストセラーだからと見過ごすには、
あまりに惜しい。
読めばきっと
あなたにとって宝物となるような一首が、
見つかることと思います。


2011年6月14日火曜日

「書を捨てよ、町へ出よう」

みなさん、本、読んでますか。
アメの音を背景に読書というのも乙なものですが、じめじめ梅雨の間のふと晴れた日には少し外へ、町へとでかけてみませんか、本なんて捨て置いて。

寺山修司「書を捨てよ、町へ出よう」はとっても刺激的なエッセイ集。
内に篭ってばかりじゃあ、つまらない。
たまには外の世界へ、思いっきり飛び出しましょう。
事実が小説より奇抜なことも、たまにはあります。


2011年6月10日金曜日

「ハニー ビター ハニー」

今日ご紹介する1冊は加藤千恵さんの「ハニー ビター ハニー」です。
表紙や中のイラストは漫画家のおかざき真里さん。
ドラマ化された「サプリ」の作者でもありますが、
この本の装画にうってつけの方ですね。
この小説はまさに「活字で読む少女漫画」。
ほろ苦い恋あり、
ハッピーエンドあり、
うわー、絶対ダメだよぉ・・・という展開あり。

作者の加藤さんはもともと短歌の世界でデビューした方なので、
その影響なのか
余白のある話作りがとても印象的です。
読み進めていると
「え、ここで終わっちゃうの?」
という話もあるのですが、
むしろこのちょっと尻切れトンボ気味で終わった話の方が
自分の中でじわじわ後を引いていきます。
(もちろんいい意味で)
その余韻を味わうのがとても短歌っぽいというか。
行間やその言葉の背後に
まだ世界が続いている空気感があって
長く深く楽しめます。
機会があればぜひ、このおいしいお話を味わってみてください。


そろそろ湿度が上がってきて
蒸し暑く感じる日が増えてきました。
特に今年は節電の都合もあり、
涼しく過ごす工夫が必要です。
肌触りのよい洋服を着たり、
打ち水をしたり、
冷たい食べ物を上手に取り入れたり・・・。
もし六本木近辺に行って「ひんやりスイーツで元気を出すぞ!」
ということであれば、こちらがオススメ!

「ミルク&パフェ よつ葉ホワイトコージ」

札幌にある人気店がミッドタウンにて9/29までオープン。
「9月なんてまだまだ先~」と思っていると
あっという間にですので、
食べ逃さないようにご注意くださいね!

2011年6月9日木曜日

『あけがたにくる人よ』永瀬清子詩集

詩集、というものを何か持っていますか?
詩というと、小説より短くて読みやすそうだけれど
なんとなく格式高い雰囲気に圧されて手を出しにくい、
そんな印象があるような気がします。

ちょうど季節が春から夏へと移りかけている今、
変わりやすい空模様や木々の葉色を見ていると、
気分が穏やかになったり、不安を煽られたりとあらゆる感情が巻きおこります。
そんなとき心に浮かんだ気持ちを言葉にあらわすのってとても難しい。
どこか陳腐な表現になってしまうのもなかなか恥ずかしい。
ならば、詩集を開いてみてはいかがでしょう。

詩は、言葉が少ない分だけひとつひとつに込められた意味が重く、
選び抜かれた単語とそれをつなぐひらがなの流れが
リズミカルであったり美しく繊細であったり。
そんな風に詠まれた素晴らしい詩が世の中には数多くありますね。
少し手をのばせば、きっとあなたが探していた言葉をつかって
今の心模様をうまく言い当ててくれる詩に出会えるはず。

さて、本日紹介する文庫は、女の子にはぜひ読んでもらいたい
詩人・永瀬清子の詩集です。
明治時代に生まれた彼女は弱冠19歳にして詩の道を志し、
結婚し農婦となり、母となり祖母となり、
女の一生を力強く自分らしく生き抜いて
82歳で他界するまでずっと詩を詠み続けます。

「彗星的な愛人」など初期の作品を読むと、
文体のみずみずしさと目のつけどころの良さ
言葉の示す深い意味の重みが心にのしかかってくるようです。
特に恋愛詩は、厳選された美しく儚い言葉たちによって
そこはかとなく漂う哀しみと切なさに惹かれるものがあります。
さらに驚くべきは、晩年詠まれた詩には少女の心が変わらず在るうえに、
年を重ねてきたが故に見えたものが巧みに表現されていて
二十代の女の子が読んでも心揺り動かされることでしょう。
「だましてください言葉優しく」「女のうたえる」「あけがたにくる人よ」
この三篇は特におすすめしたい作品ですので、ぜひ。

心のうちのあれこれを言葉にあらわす必要などないのかもしれません。
でも、素晴らしい詩に触れると心安らぐだけでなく目も豊かになり
いつもとは少し違う風に季節を楽しめる、そんな気がします。
梅雨の合間のよく晴れた日、散歩のお供には詩集を一冊。



2011年6月8日水曜日

『玉子 ふわふわ』

おはようございます。
文庫ガール創刊号、もうお手にとっていただけましたか??
昨日UPされた設置場所、センスのいいとこばかりですので、
まだ読んでない!という方はぜひ行ってみてくださいね!

さてさて、ここのとこ暖かめの日が続いていますね。
今朝は雨ですが、それでも朝の冷え込みが
ほとんど感じられなくなって、
朝もサッと起きて動けるようになりました(笑)

今朝も5時から起きて、
オムレツを作ってたべていたのですが
それは寒さのゆるみのおかげでだけではなく、
ある本を読んで無性にオムレツがたべたくなったから。

その本とは
早川茉莉さん編集の『玉子 ふわふわ』。
石井好子さんら37人の作家による
「玉子についてのアンソロジー」です。

オムレツ、卵かけごはん、目玉焼き…などなど、
しあわせでとびきりおいしいたまご料理のお話が
次から次へと語られると、
たちまちきいろいたまごが恋しくなります。




フライパンにバターをジュッととかして
ミルクでのばした卵をながしこみ、
くるくるとかきまぜて焼きあげる。
つけ合わせには玉ねぎの刻んだのを、
これもバターで狐いろにいためてくれた。
私はこのオムレツが大好きで毎朝たべてもあきなかった。

(森田たま「フライパン」より)

なんのことはない一節なのですが、
これを読んだら、


手作りのシンプルなオムレツが食べたくて
たまらなくなりました。

おいしいものがたくさんあふれる世の中ですが、   
たまには玉子のようなそぼくな素材に
目をむけてみてはいかがでしょうか?

満月のようにあたたかなきいろと、
裏切ることのないやさしくて豊かなあじ。
卵たちのそんな在りようを想像するだけでも、
きっと心がほっとするはずです。

文庫ガール設置場所 2011.6.8




現時点での文庫ガール設置場所の報告です!

■渋谷
・OnlyFreePaper
・SHIBUYA PUBLISHING&BOOKSELLERS
・BOOK 1st 渋谷文化村通り店
■代官山
・DAIRY FRESH STORE
・DaB daikanyama
・drole daikanyama
■原宿
・A10+a
・marble SUD原宿
・Annon Cook
■表参道
・DaB omotesando
■代々木公園
・MARY GOROUND
■恵比寿
・marble SUD恵比寿
■中目黒
・TORi
・drole nakameguro
■池尻
IID 世田谷ものづくり学校
■三軒茶屋
・TSUTAYA 三軒茶屋
■吉祥寺
・marble SUD吉祥寺
■下北沢
・marble SUD下北沢
■自由が丘
・marble SUD自由が丘
■飯田橋
・hive cafe
■清澄白河
・東京都現代美術館 content restaurant
■大阪
・Books DANTALION

以上です。
ほかにも、文庫ガールがマッチするような場所がございましたら、
ぜひ、お声掛けください!

引き続き、文庫ガールをよろしくお願いいたします。

2011年6月7日火曜日

笙野頼子 三冠小説集

本日紹介するのは『笙野頼子 三冠小説集』です。

永遠の新人、と評される笙野頼子。
それは彼女が新人の登竜門とされる野間文芸新人賞、三島由紀夫賞、芥川賞のみっつを立て続けに受賞したことによります。
この記録はいまだ、やぶられていません。

その、受賞三作品をいっきに詰め込んだのがこの文庫本。
一冊でみっつも読めちゃうなんて、お得で嬉しい。

夢と現実が混ざり合うSF(少し不思議な)笙野ワールド。
一度読んだらとりこになることまちがいなし!

2011年6月5日日曜日

お縫い子テルミー

すっきりしない天気の日も続く梅雨、そして祝日が一日もない6月。
皆さん、五月病ならぬ六月病、かかっていませんか??

そんなあなたにオススメの文庫は、栗田有起『お縫い子テルミー』です。

飾り気のない、あっさりとした文章。
けれども、そこからは真っ直ぐで誠実な態度がひしひしと伝わってきます。

主人公のテルミーこと照美は、自分の枕を持たない流しの「お縫い子テルミー」として、
潔く、パリッと生きています。

シナイちゃんに恋をした。運命の恋。だけど叶わない。
彼女を取り巻く世界は、全然優しくない。ただ、そこにある。
それでも生きなければならない。明日も、あさっても、ずっと、ひとりで。
世界をただ、受け入れる。
それって、どういうことだろう??
テルミーの言うように「自由」なのでしょうか??

憂鬱な気分をシャキッと正し、背筋が伸びる気持ちにさせてくれる、
潔く、パリッとした小説です。

2011年6月4日土曜日

「グレープフルーツ・ジュース」

一杯のグレープフルーツ・ジュースから、朝を始めてみませんか。

本日おすすめする本は、オノ・ヨーコさんの「グレープフルーツ・ジュース」です。

この本は、初期の代表作である
『グレープフルーツ』の中から50あまりのインストラクションを厳選し、33人のフォトグラファーの写真とコラボレーションして文庫化されたもの。

人間のもつ想像力のみを使って、無限の世界に触れることができるふしぎな『ジュース』。

“習慣的な生活だけでは、たまらない。
何か新しい行為を人生につけ足したい。
それが架空のメニューであるとしても……。”

書店に並ぶ文庫本を手にとる行為は、そんな心から生まれるのかも。

慌ただしい日々の隙間に
「グレープフルーツ・ジュース」と「想像力」をひとしぼり。

きっと毎日がフレッシュによみがえってきます。

2011年6月3日金曜日

「見仏記」

今日おすすめする一冊は「見仏記」。
仏像大好き、いとうせいこう・みうらじゅんの両氏が、
日本各地にある仏像を訪ねるエッセイです。
二人の仏像に対するフリーダムな考え方は
いい意味で仏像を見る目を変えてくれます。

2年ほど前、阿修羅像が大人気になってから
仏像に対する注目度が増してきましたが、
仏様には厳粛な気持ちで向き合わないと…
と思ったり、
正直、どこ見ていいかわからない…
なんてこと、ありませんか?

そんな人にぜひ読んでもらいたい!
二人のやりとりを読むと
「あぁ、もっと自由でいいんだ」と
肩の力がガクッと抜けます。
仏像は日本にある素敵な文化の一つなので、
ぜひ自分なりの楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか?
そして、仏像好きな人は、
二人が注目するポイントと自分のポイントを
比較してみると面白いですよ。
「そうか、そんなトコにも目をつけてるのか」
なんて、ニヤリとしてしまうのではないかと思います。

7月からは上野で
空海と密教美術展」が開催されます。
見に行く前にこの本を読んで、
ココロのウォーミングアップをしておくと
より楽しめるかもしれません。

そしてこの「見仏記」、
明日まで銀座の椿サロンで販売している
「文庫ガール100選」にも入っているので、
よろしければぜひ手にとってご覧ください。
(もし万が一、売れてしまっていたら申し訳ありません…)
ほかにもたくさんステキな本を用意しておりますので、
ぜひお越しくださいませ!


2011年6月2日木曜日

『いつもポケットにショパン』を。

本日紹介するのは、少女漫画です。
くらもちふさこ『いつもポケットにショパン』。
幼い頃、何か習い事をしていましたか?
ピアノ教室に通っていたという女の子はきっと多いはず。
今はピアノから遠のいてしまっていても、
ふとした瞬間に無性に弾きたくなって胸がうずうずする、
そんなことってありませんか?

この漫画に出てくる幼馴染の麻子ちゃんと季晋くんは
ピアノのある家に生まれ、ピアノと共に育ちます。
二人はいつもいっしょ。ピアノの傍で遊ぶのが楽しくて仕方ない
そんな毎日なのですが、
時が経ちいつしか離れ離れになり、すれ違い、再会し、競い合い・・・
それでも互いを認め合えるその絆は誰も踏み込めない二人の世界にあります。

わたしは小さい頃、ピアノを習っていたあの頃
家の本棚で見つけて読んだその日から、麻子ちゃんの大ファンです。
名ピアニストの娘として生まれた彼女は、
不器用で鈍感でおっちょこちょいだけど一生懸命で一途な女の子。
今にも崩れ落ちそうな自信を胸に
つまづく度、いつまでも子供っぽく成長しない自分に気づいては
恥ずかしくて悔しくてどうしようもなく泣いちゃうのです。
温かな周りの人々の支えのなかで大人になっていく麻子ちゃんが
可愛くていじらしくて、仕方ありません。

そして感じる、音楽の力。
喜びも哀しみも苛立ちも不安も、誰かへの愛情も
音は、言葉以上に弾く人の心をあらわし
聴く人の心の深いところにまで染み入っては感情を大きく揺り動かします。
漫画を読みながらそれを思い知るというのも、不思議。
きっと音楽をやる人もやらない人も、子供も大人も
あらゆる視点から楽しめるはず。
子供のとき愛読していたものを大人になってから読み返すと、
その頃とはまた別の感慨に触れる、そういうの、嬉しいですね。
(母親になってから読むとまた違うのだろうな、とそんなことも思いながら・・・)

くらもちふさこさんの柔らかく可愛らしいイラストで描かれたこの作品。
全てのコマ、全てのセリフを「音」を、ひとつも漏らすことなく
大事に大事に拾いながら頁をめくってみてください。
きっとあなたの耳にも、優しいピアノが聴こえてきます。
そしていつもより、周りの家族や友人を大切だと思えるかもしれません。


2011年6月1日水曜日

『それからはスープのことばかり考えて暮らした』

一昨日5月30日のリリースパーティー、大盛況でした!
来てくださった方ありがとうございました。
すてきな人、おいしいもの、選りすぐった大切な本たち、
なにをとっても本当に夢のような空間で、
華々しい『文庫ガール』の門出となりました♪

さてさて、そのリリースパーティーのお食事は、
目黒でcafe&cateringをなさっているTORiさんのブンコウィッチ。
文庫本に見立てたふわふわ食パンに、
春野菜のグリルや小アジ、チリビーンズ、マヨネーズ
などをはさんだ、とってもかわいくておいしいサンドイッチでした。
(お手伝いの人数分なかったのに食べてしまってスミマセン…)

やわらかいパンにきれいな具をはさみながら
「サンドイッチって幸せな食べ物だなぁ…」
としみじみ思ってしまいました。

さて、本日ご紹介する文庫本は、そんなおいしそうなサンドイッチのお店のお話。
吉田篤弘さんの『それからはスープのことばかり考えて暮らした』です。

仕事をやめてしまって、ふらりとある町に引っ越してきた一人の青年。
その町で彼は一軒のサンドイッチ店「トロワ」に出会います。トロワのサンドイッチ
のとりこになった彼は、趣味の映画を見に隣町の「月舟シネマ」に通うかたわら、
トロワの常連さんになります。
そして店主の安藤さんとその息子と仲良くなり、ついにはトロワで働くことに。
こうして彼の、サンドイッチに合うおいしいスープ作りの日々が始まるのです。

映画館で出会ったすてきなおばあさんに教えてもらった「名前のないスープ」とは…?


読んでいると、「今日のお昼はサンドイッチとスープにしよう」
と思ってしまう、そんなお腹の空いてくる作品です。

この『それからはスープのことばかり考えて暮らした』は『つむじ風食堂の夜』という
本に続く、「月舟町シリーズ」の第二弾。
こちらの『つむじ風食堂の夜』は
リリースパーティーで販売した文庫ガール百選にも入っています!
文庫ガール百選はまだ銀座の椿サロンにて販売中です♪
興味を持ってくださった方はぜひ椿サロンにお越しください!
他にも素敵な本がたくさんありますので…♪♪