2011年5月15日日曜日

『放課後の音符』

本日、オススメする文庫は山田詠美さんの『放課後の音符(キイノート)』です。

突然ですが、わたしはこの本を文庫ガール必携のバイブルに推したいと思います!!



十七歳で男の人とベッドに入ることを日常にしているカナ、
夏の恋を思い出して涙を流すマリ、
年上の女性に彼をとられたカズミ・・・。


この本に出てくる女の子たちは、みんな、恋をしています。
決して派手ではないけれど、ひっそりと、自分にしかできない、本物の恋。
まだ恋らしい恋をしたことのない主人公の「私」に、彼女たちはそっと秘密を打ち明けます。


ソックスの下に隠したさらさら揺れるアンクレット、
思い出の味に似ているジントニック、
自分のことを待つためのシャネルの赤い口紅・・・。


素敵な恋ができる女の子たちというのは、
自分だけの孤独の味わい方を知っているようです。
そして「私」も成長し、自分だけの恋の方法に気付きます。


「好きな人のいない放課後なんて変よね。私、ずうっと、変なことして来たんだ」


日常生活に追われ、年齢や経験を重ねるにつれ、
忘れかけていた恋する気持ちを思い出させてくれる一冊。
ぺージを開くと、きっとあの頃の「わたし」が見つかるはずです。
そして、まだ、本物の恋に出会っていないあなたにも、ぜひ読んでほしい!
きっと次は、あなたの番です。

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