2011年5月31日火曜日

「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」

本日紹介しますのは、川上未映子「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」(略して、そらすこん)。
芥川賞作家、川上未映子の綴った日々の記録です。


世界から見ればわたしたち、なんてことない存在かもしれませんが、わたしたちから見れば世界なんてわたしたちのもの、わたしたちが世界だったのではありませんか。
身体で世界に触れて言葉で世界を認識する、発せられた言葉は表現となってわたしたちの世界になったのではありませんか。
そんな各々が各々に孕んで生んだ世界は、そら、すこんと各々の頭の中に。

世界認識の仕方は各々異なるものであり、また、その発露のしかたも人それぞれですから、他人の頭をかぱりと開けば異なる世界がそらすこんと入っているはずです。


芥川賞作家は日々何を思い、世界と対峙していたか。

世界との接触、その瞬間の感覚の共有は不可能であったとしても、日々の記録はその断片を見せてくれるはず。

この本を読めばあなたの頭の中の世界が一度がらがらと音を立てたり立てなかったりして崩れてしまうかもしれません。
でも、文庫ガールなら大丈夫。
たくさんの本たちがまた、新しい世界を教えてくれるから。


あなたの頭にも、そらすこん。

2011年5月30日月曜日

おいしいおいしい

今日おすすめする文庫は大橋歩さんの「おいしいおいしい」です。


料理や台所にまつわる話を集めたエッセイです。たっぷりのおいしい経験と、少しだけおいしくない経験、様々な食の体験が集まっていて、食にストイックな大橋さんの生活が垣間見えます。

文庫本の後半にはエッセイに登場するおいしい料理のレシピが掲載されています。頭の中で調理するだけでぐぅとお腹がなってしまうようなものばかりです。おいしい本を読んでおいしい手料理をつくって下さい。


さて、今日は文庫ガールリリースパーティーです。お時間のある方は是非銀座「椿サロン」まで足をお運びください。

2011年5月29日日曜日

愛がなんだ

現在公開中の映画「八日目の蝉」公式サイト、皆さんもうチェックしましたか~?
不倫相手の子供を誘拐する主人公・希和子役に永作博美さん、
事件後、大人になった子供役に井上真央さん、とキャスティングも話題です。
この映画をキッカケに、
原作者の角田光代さんに興味を持たれた方も多いのではないでしょうか?

次は何を読もうかな??

本日は、そんな文庫ガール世代にオススメの角田さんの小説をご紹介します♪

角田光代『愛がなんだ』

どうしても欲しいものがあった時、
だけど、それが絶対に永遠に手に入らないものだとわかった時、
あなたはどうしますか?諦める??

この物語の主人公・テルちゃんは、はっきり言って潔悪い!
不毛な片思いに執着し、脱出できないのではなく、する気がない。
とにもかくにも片思いの相手・マモちゃんが最優先!
他のことは「どうでもいい」に分類して、友達も仕事もそっちのけ。
ついには会社もクビになり、気が付けば自分自身のことすら「どうでもいい」扱いに・・・。
なんだか、もう、ホラーです。
しかし、リアル。妙に説得力がある。笑えない。
そう、わたしはテルちゃんを笑うことができません。
なぜなら、そこに、周りが見えなくなるほど人を好きになってしまった、
いつかの自分を見てしまうから。
皆さんも身に覚えがあるのではないでしょうか??

そして角田さんの凄いところは、こんな全力の片想い小説の中にも、
人生に通じるようなハッとさせられる一節がさりげなく挟み込まれていること。

たとえば、こんな一節。

<仕事に何も求めていないのに、
  仕事が私を救ってくれることがあるのだとふいに知る。>


小説というのは面白いもので、読んだ直後には効力を発揮しなくても、
心の奥底に染み込み、いつかきっと、あなたを助けてくれるはずです。

2011年5月28日土曜日

緊急決定!文庫ガール創刊WEEKでmotherのシュシュも展示&販売!




*Blue eyes chouchou
カラー:NATURAL BLK
¥4830


5/31~6/4の文庫ガール創刊WEEKで、
motherのシュシュも展示&販売させて頂きます!

人気ヘアサロンDaBさんとコラボレーションして
作った『読書用ヘアスタイル』ページ。
motherのシュシュをマストアイテムとして紹介させて頂いていますが、
創刊WEEKでは、刺繍パーツが印象的な新作も展示&販売します!

デザイナーeriさんの思いがそのまま形となったような、
美しいシュシュをぜひ、ご覧ください!

また、本日より、
mother×Dickiesのコラボアイテムもmotherのオンラインショップほかで、
販売開始されています!

Dickiesのワークっぽいテイストに、
ボタンやベルトなどでmotherらしい可愛らしさをプラスしたパンツ。

文庫ガールは要チェックするべき!

2011年5月27日金曜日

「恋愛論」

突然ですが。
恋、してますか?
それとも今はそれどころじゃない?!
今日は吉行淳之介の「恋愛論」をご紹介します。
これは恋をしている人にも、そうでない人にもオススメできる一冊です。

「○○論」なんていうとコムズカシい雰囲気が漂ってきますが、
この「恋愛論」に関して言うと全然堅苦しくなく、
エッセイ風に仕立てあがって読みやすくなっています。
それぞれの話題の中には
小説や戯曲の一場面や
身の回りの人の出来事を織り交ぜているのですが、それが
「恋愛マスター吉行淳之介が古今東西の作品やら格言、身の回りから
 恋愛にまつわる話を集めました」
ってな感じで、エピソードのチョイスがとても良い。

恋愛の参考になる、とは言いません。
でもハッとする言葉には出会えると思います。
これから先、生きていく間に
「あぁ、そういえばあんな本にこんな一説があったなぁ」
と思い出す、そんな一冊です。


さてさて。
今月25日から新宿の伊勢丹で始まってる
ミナペルホネンと人気デザイナーのコラボフェアにはもう行きました?!
個人的にはマスキングテープと
チャリティバッグが気になります。
今月31日まで。
早く行かなきゃ~!!

2011年5月26日木曜日

『色ざんげ』 雨の音を聴きながら。

新緑の五月も残りあとわずか。梅雨の時期が近づいていますね。
近頃は雨の日グッズも可愛いものが続々と出ていて、
お気に入りの傘とレインブーツさえあれば
機嫌よく過ごせちゃうという女の子もきっと多いことでしょう。

それでもやはり、じとじと雨の降る日は外に出ず家でくつろぎたい
という方に、おすすめの文庫本を紹介します。

宇野千代『色ざんげ』。
恋愛は男と女の駆け引きであり、感覚を頼って駒を進めてゆくしかないのでしょうか。
主人公の洋画家・湯浅譲二は日々狂ったかのようにあくせくと恋愛をしてゆきます。
その結果、さまざまな事情がこんがらがり、収拾がつかなくなり・・・
それでもまだ恋をし、愛を求め、自惚れる心を恥じることもあまりせず。
どんなに頭で考えても仕方のないことで、
心を突き動かすのは、いつだって「会いたい」という気持ちであるように思います。
人はみな孤独であるが故、恋愛をせずにはいられないのかもしれません。

どんな恋愛本や女性誌に書いてあることよりも、
小説の世界に浸り、感じ得たことの方がずっと心に残ります。
わたしが初めて宇野千代さんの作品を読んだのは『おはん』でした。
文庫サイズの限られた頁にぎっしりと埋め尽くされた文字、
一文が長く読点は少ない、しっとりと流れるようでいて熱い情感の込められた筆致が
いたく気に入ってしまい、一息に読み終えると震えながら泣いたのを覚えています。

明治生まれの女流作家の恋愛小説に出てくるのは、
ダンスホールと電報と汽車と。
今の時代に生きていてはおそらく経験できない物事に触れ、味わえるのは
やはり文学の世界のなかでしかないように思います。
絵でも映像でもなく、言葉のみによって想像できる世界。
それはどこまでも際限なくわたしたちの前に広がっています。

雨の止まない夜、眠れないなと思ったら
覚悟を決めて一冊、本を開いてみてはいかがでしょうか。


2011年5月25日水曜日

文庫ガール創刊WEEK 5/31(tue)-6/4(sat)



文庫ガール創刊リリースパーティー5/30(月)の翌日、
5/31(火)~6/4(土)までは『文庫ガール創刊WEEK』!!
誌面で掲載した文庫TOOLSや文庫ガール100選の展示&販売を行います!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『文庫ガール創刊WEEK』
日程:2011年5月31日(火)~6月4日(土)
時間:12:00~22:00
会場:椿サロン(東京都中央区銀座7-2-17旧不二家本社ビル)
入場料金:カフェ内での展示になりますので、1オーダーをお願いいたします。

展示&販売アイテム:
■文庫TOOLS
BookPack(MicroWorks
BUN-SHIN TOTE BAG&文庫の上着(DAIRY FRESH STORE
■読書用ヘッドアクセサリー
BARRETTE&chouchou&Hairgom(an/eddy
■文庫ガール100選
文庫ガール向けの文庫100冊をセレクト&販売

and more!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それぞれのアイテムについての詳細は、後日UPしていきます!
お楽しみに!

spoon. 6月号

みなさんこんにちは。もう5月も下旬なのに、雨のせいか昨日はなんだか肌寒い一日でしたね。
こうして6月になって、気づいたら梅雨に入っているのでしょうか…。

ですがそんなしとしと雨の日こそ、読書にはうってつけの日だと思います。
サーッという水の音を聞きながら、薄明るい光で本を読むと、いつもより集中して読めるのです。
「晴耕雨読」という言葉もあるくらいですし、昔から雨と本はなかなか相性がいいものなのではないでしょうか。

というわけで、今日は来るべき雨の日を「読書日和」として過ごすため、ある雑誌をご紹介します。

それはオンナノコのための雑誌、spoon.。
6月号はTOKYOブックカフェとおススメ本特集です。
高円寺や荻窪の渋くてカワイイ古本カフェや、ステキな専門図書館、spoon.編集部選の夏の必読図書など、文庫ガールにとってはおいしい情報がぎゅっと詰まってます…!
オンナノコのための映画や音楽、ブランドの記事もあるので、本以外との出会いも期待できます♪

雨の季節の読書に役立てるもよし、雨の季節にspoon.そのものをパラパラめくって楽しむもよし、書店にて絶賛発売中ですので、どうぞチェックしてみてくださいね☆
http://www.spoon01.com/editors/preview.html

2011年5月24日火曜日

46番目の密室

今回紹介しますは有栖川有栖『46番目の密室』。
有栖川先生の火村シリーズ第一弾です。

シャーロック・ホームズから明智小五郎、古来より探偵の登場するミステリーは枚挙に暇がありませんけれど、探偵と同時に忘れてはならないのがワトソンくん、つまり探偵の助手役の存在です。
彼らワトソンくんは探偵の類稀なる推理力を際立たせるためになんともぼけぼけな推理をすると同時、その失敗から真実への道を探偵に向かって示す役割も担っております。
また、推理に関してはぼけぼけなワトソンくんも、探偵というのは大抵が奇人変人常識からちょっぴり外れちゃった人でありますから、時折飛び出す突拍子もない探偵のボケにはツッコミを入れねばなりません。おまけに奇人変人常識からちょっぴり外れちゃった探偵さんは生活力が低い場合もあるので時にはそちら方面のお世話をすることも求められるでしょう。

断言しましょう、探偵と助手の関係は夫婦漫才に似ています。

この火村シリーズの探偵・火村英生と助手・有栖川有栖も、きれいなボケツッコミの関係でありましょう、なんて言ってみましたけれど有栖川が関西弁なので特にそう感じられてしまうだけなのかもしれません。
また、このふたりのコンビネーションの妙なことといえば、その職業。火村は犯罪社会学者、有栖川は推理作家。
犯罪社会学者推理作家。
二つ並べるとほら、もうすでに陰惨な事件のかおりが漂って来ました。


ミステリーには、虚構の美しさ、というものが存在するのではないでしょうか、それは陰惨な死体をも文字を媒介して美しく飾りたてるのです。
不可思議な様子で殺された被害者、事件に絡み付く恋愛模様。

ミステリーを読んだことのないあなたも大のミステリーファンのあなたも文庫ガールなあなたも、ぜひ一度火村探偵と推理を楽しんでみませんか。
いちばんのミステリーは、火村探偵の魅力。



2011年5月23日月曜日

青葉台駅チャリンコ2分

今日紹介するのは鈴木カオリさんの『青葉台駅チャリンコ2分』です。

タイトルが気になって手に取りました。
自伝小説とエッセイの中間にある作品で、読んでいて思わず吹き出してしまう場面が何度もありました。

筆者のカオリさんの真っ直ぐな性格通り、素直で読みやすい文章で書かれています。自転車乗りの方々はわかるわかる、と、頷きながら読むことになるんじゃないでしょうか。

実話をもとにした話なので、この本の中に登場する自転車屋さん「轍屋」は横浜市の青葉台に実際にあります。

自転車を探しに、少したくましい素敵な奥さんに会いに、ふらっと行ってみようと思っています。


2011年5月22日日曜日

回転ドアは、順番に

本日オススメする文庫は『回転ドアは、順番に』です。

歌人の穂村弘さんと東直子さんによる恋愛短歌の往復書簡(メール)。

たった三十一文字で掬い上げられた短歌の世界は、素敵なドキドキを教えてくれます。

言葉と言葉のそのすきまに広がる、二人きりで、無限の世界。

そしてそれは、
わたしたち読者の記憶を刺激して、また新しい物語が生まれる可能性を秘めています。

ある春の日に出会い、
ある春の日に別れるまでの男女のやりとりを描いたストーリー仕立てになっているので、

今、恋をしているあなたも、そうでないあなたも、
これから始まる季節にぴったりのお気に入りの歌を見つけられると思いますよ♪

2011年5月21日土曜日

『ゲンスブールと女たち』と『星の王子様』

“芸術と女たちに愛された、その破天荒でセンセーショナルな生涯ー。”

本日、1つ目におすすめするのは映画「ゲンスブールと女たち」です。

Bunkamuraル・シネマ、新宿バルト9他にて今日から上映開始されます!

フランスの劇画バンドデシネ(BD※)作家であり映画監督でもあるジョアン・スファールが初の長編映画として手がけ、セザール賞では新人監督作品賞を受賞した意欲作です。

※BD=バンドデシネとは、フランス・ベルギーで発達したコミックのこと

そして2つ目のおすすめは
同監督ジョアン・スファールのBD作家としての作品「星の王子さま バンドデシネ版」です!

永遠の名作をコミックとしてあらたに蘇えらせ、フランスでベストセラーを記録した話題作が、池澤夏樹さんの翻訳で5月23日に日本で発売されます!

池澤夏樹訳による“げんきで、わんぱくで、少し悲しい星の王子さま”…!楽しみですね。

この機会に、池澤夏樹さん翻訳の文庫版 星の王子様を併せて読んでみるのもいいかもしれません。


作品の冒頭「おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)」に象徴されるように、

「星の王子様」は児童文学の体裁をとりながらも、中身は、子供の心を失ってしまった大人に向けての示唆に富んだ作品です。

数々の名曲を送り出し、ジェーンバーキンを始め様々な美女と浮名を流し、センセーショナルな生涯を駆け抜けた作曲家セルジュ・ゲンズブールも
かつては、1941年、ナチス支配下のフランス、パリ。暗い時代にユダヤ人の両親の元に生まれた少年、リュシアン・ギンズブルグであり、
その素顔は醜いがゆえに拒否されることに傷つき恐怖する少年の心を持ち続けた繊細な男だったー。

週末は、そんなスファールの二つの作品に触れながら、誰の心の中にも存在する“子供の心”に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

2011年5月20日金曜日

「フェレット物語Ⅰ 海の救助隊」

今日おすすめするのは、リチャード・バックの「フェレット物語Ⅰ 海の救助隊」です。
著者のリチャード・バックは「かもめのジョナサン」の作者。
名前だけではピンとこなくても
「かもめのジョナサン」で「あぁ~」とうなずく人は多いのではないでしょうか。

主人公はなんとフェレット!
物語曰く、海に面した国には沿岸警備隊とならんで
海難動物救助にあたるフェレットレスキューサービス(FRS)があるとか。
このFRSを舞台に、
ベサニーという勇気と思いやりと前向きな心を持つ
女の子のフェレットが活躍します。


かわいい挿絵はSuicaに採用されている
ペンギンの絵の生みの親である坂崎千春さん。
表紙はビビッドな色使いで全5冊を並べておきたくなります。
しかし、この話はフェレットのかわいさについて書いた
「甘いだけのお話」ではありません。
嵐や救助活動、といった緊迫感に満ちたシーンがしっかり書き込まれていて、
手に汗握ること間違いなしのお話でもあります。
物語の中を全力で駆け回るフェレットを追いかけてください。

そして物語中、場面転換のところで入る区切り
「(:」
にも注目してくださいね。
(本文中では縦書きなので、ここでは右90度回転させて見てください)
なんでこんな区切りなのかしら・・・
と不思議だったのですが、
何個か目にしていくうちに、気づきましたよ。


これ、フェレットの鼻!!


こんな遊びゴコロのあふれた1冊ですので、
本屋さんで見かけたらぜひ手に取ってほしいです。


このシリーズは、どの巻から読んでも楽しめるようになっています。
そして1冊だけ読むのもいいですが、
「あれ?このキャラクターって確かあそこに出てきた・・・」
なんていうリンクもあるので、
5冊読み通すと、素敵なフェレットたちの世界がより広がりますよ。


さてさて。
フェレット同様、前足がかわいい猫のイベント情報をお届けして今日は締めます。
今、プランタン銀座で開催中の「ねこ展」に
あの不思議顔の猫で一躍有名になった「まこ」が帰ってきています。

5/17~30「やっぱりまこである。展」

一度終了したブログも不定期更新ながら再開しており、
なんと新しい仲間も!
今週末は銀座へまこに会いに行くのはいかがでしょうか。


2011年5月19日木曜日

「お直しとか」



今日のオススメ展覧会は、5/18からFOIL GALLERYで開催されている、
横尾香央留さんの「お直しとか」です。

5/18の18時30分から行われたレセプションパーティーにお邪魔してきました。


横尾さんは吉祥寺にある「カフェ横尾」の娘さんで、以前はミナペルホネンに勤めていたそうです。
ミナペルホネンからのバスケットがとても可愛かったです。

緻密な刺繍技術とユーモラスな発想を駆使した横尾さんのお直し。

林央子さんが発行する『here and there vol.9』の発売記念イベントで、
横尾さんを知った方も多いのではないでしょうか。

大事な服を直すだけでなく、楽しいサプライズを加えて新しいものへと変身させる横尾さん。

横尾さんのモノへの愛情が感じられるので、地震があった現在のような状況でも、すっと心が穏やかになった気がします。

5/21(土)にはお直しワークショップもあります。


レセプションパーティーは、カタログの写真を撮影したホンマタカシさんや、
ユトレヒトの江口さん、アンティークスタミゼの吉田さん、スタイリストの高橋みどりさん、
6次元の中村さん、道元さんなど大勢の人で賑わっており、
横尾さんは愛されているんだなぁと実感できました。

5月30日(日)までですので、ぜひ足をお運びください!

映画『引き裂かれた女』

「追われる愛より追う愛を」
クロード・シャブロル監督の映画『引き裂かれた女』が渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開中です。

容姿の優れた女の子は「可愛い」と言われるだけじゃ満足しません。
そんなのもう言われ慣れているのです。
では、何と言われたら喜ぶのか?
「可愛いだけじゃないね」。
即座に「その通りよ」と答えるのが本作のヒロイン、ガブリエルです。
目線と仕草で男の心を操る技を持ちながら、無駄に媚びることなく奔放に生きる彼女。
「家まで送るよ」と言われれば、「愛馬があるわ」とスクーターに股がって爽やかにバイバイ。
大きな花束を持って現れ容易に愛を語る男より、花屋に頼んだブーケに一言「来て」とメッセージを残す彼に夢中。

真実は言葉じゃ語れないとわかっていながら、愛する人の言葉は信じてしまう。それが引用であろうと偽りであろうと。
ガブリエルだって、お酒を飲めば人恋しい普通の女の子なのですから。
恋をする者はみな滑稽で哀しい、極上のサスペンス・ラブストーリー。彼女が選ぶ人生とは?

公開は5月20日(金)まで。ガブリエルに一目会いに劇場へ。

2011年5月18日水曜日

『「mountain morning」INSTALLATION by FUMIKO SAKUHARA』


本日のオススメ展覧会は、
インテアリアスタイリストの作原文子さんと20人の写真家によるコラボレーション展
『「mountain morning」INSTALLATION by FUMIKO SAKUHARA』です。

本日5/18(水)から5月30日(月)まで、
恵比寿のPACIFIC FURNITURE SERVICEで開催されています。
http://www.pfservice.co.jp/top.html

作原さんは、『エルデコ』や『カーサブルータス』などの雑誌や、カタログ、テレビCM、ショップディスプレイなどのスタイリングを中心に幅広い活動をするインテリアスタイリスト。
文庫ガール的には、ガッキー主演の映画『恋するマドリ』のインテリアスタイリングを担当されていた方と言うと、ぐっと親近感がわくかもしれません。

同展は、作原さんがかねてから交流のあった写真家20人とポストカードを共同制作したことをきっかけに始まったプロジェクト「mountain morning」の一環として開催されるものです。
写真家の作品を、作原さんが家具や雑貨などインテリアアイテムと織り交ぜてスタイリングし、同プロジェクトのテーマである「山の朝」を立体的に表現。
リアリティのある暮らしのアイディアを提案する、新感覚のインスタレーションです。

出展作家は、
野川かさね、関めぐみ、木寺紀雄、若木信吾、平野太呂、米谷亨(敬称略)など超豪華!

5月28日(土)には『mountain saturday』というスペシャルイベントも!

インテリアに興味がある文庫ガールは、足を運んでみてはいかがでしょうか。

「場所はいつも旅先だった」

本日おすすめするのは松浦弥太郎さんの『場所はいつも旅先だった』です。

突然ですが、みなさんは旅行に行った時、一番こだわってすることは何でしょうか?
おいしい食事?楽しい観光?気持のいい朝や夕方の散歩?
 
ヤタローさんの旅のハイライトは「朝食」。
ある日はニューヨークの気持ちのいいホテルにて。
トースト、パンケーキ、スクランブルエッグ、スコーン…などなどどれをとっても
最高においしい朝食をいただく。一人で行ってもウェイターが話し相手になってくれ
るのでさびしさは味わわなくて済む。
またある日はお気に入りの女の子のいるカフェで。
バターやジャムをたっぷり塗ったシナモンベーグルのトーストを、ミルク入りのコーヒーと合わせて過ごす。

うん、確かに「こんな至福の朝食にありつけた日には、午前中いっぱいを朝食
につかいたくなる」という彼の言葉にうなずいてしまいますね。

この本にはこうしたヤタローさんならではの旅のエッセンスが詰まっています。

彼は中目黒、目黒川沿いのCOW BOOKSという本屋の主人でもあるのですが、そんな彼の
アメリカでの古本集めの思い出ものぞくことができます。
日本の古本屋というと気難しい顔したおじさん主人が店の奥に本に埋もれるようにして奇妙な緊張感を放っている…という古典的なイメージがありますが、アメリカの古書店はそれとはだいぶ違うみたい。読んでいると、思わず素敵な一冊を探しにニューヨークやサンフランシスコに出かけて行きたくなってしまいます。

いますぐ旅に出ることはなかなかできませんが、ぜひこの一冊を読んで気持のいい旅行に思いを馳せてみてはいかかでしょう?
何年後かの長いお休みには、こんな旅ができることを願って(笑)

2011年5月17日火曜日

「ねじ式/夜が掴む」

画家が自分の描いた絵を女に示し君はこの絵を前にしてどう思ったのだどう感動したのだと問う。女は困惑した様子でわからないと正直に告げる。画家は、それでいいわからないものをわかったふりをするのがいちばんいけないのだと笑った……

とだいたいまあこんな感じのワンシーンが岡本太郎の一生を描いたドラマ『TAROの塔』にあったように記憶しているのですが、そもそもよくわからない小難しいものはなんだかありがたいもののような気がしてしたり顔で受け取ってしまいがちではないでしょうか私たち。わからないものはわからないと正直に言っていい、それならばわからないと認めた上でわからないものを楽しんでみませんか。

本日おすすめするのは、つげ義春『ねじ式/夜が掴む』。
『ねじ式』は漫画好きなら一読しておくべきだと方々で叫ばれており、つげ義春の代表作となるのでしょう、映画化もされています。

夢の中の出来事を漫画にしたとされているこの作品は夢よりもずっと不条理で、意味のないこと、意味のわからないことが与える不安のようなものに覆われています。
よくわからない作品なのですから、もはや解釈を加えるのさえ困難です。
しかし、それでも何度も読み返してしまうのは、不条理を支えるしっかりとした構成、妙にリアリティーのある絵のせいでしょうか。

つげ義春の漫画はちくま文庫からつげ義春コレクションとして発売されているようなので、わたしもコレクションしてみようかと思います。


2011年5月16日月曜日

流しのしたの骨

今日おすすめする文庫は江國香織さんの『流しのしたの骨』です。


いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな‘小さな弟’律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族想いの父、の六人家族。ちょっと変だけれど幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた、心地よくいとおしい物語。

家族の中に存在する近くて遠いねじれた距離感、日常生活の中にある穏やかじゃなさ、その中で生きる人々の熱量が江國さん独特の間で描き出されています。

あそこの家を覗いてみれば、こんな物語が詰まっているのかもしれない。そんなことを考えながら私は町を歩くようになりました。

2011年5月15日日曜日

青柳文子さんのおすすめ文庫

北尾トロさんの男の隠れ家を持ってみた (新潮文庫)です。

---この文庫を読もうと思ったきっかけは?
なにかの本で北尾トロさんの文を読んで、印象に残っていたんです。たまたま入った古本屋で本をみつけたので、購入しました。

---実際に読んでみた感想は?
堅苦しい文章ではなくて、会話を上手く織り交ぜたポップな文章なので読みやすいです。悩める若い男性や、何かを変えたいと思っている人に、オススメですね。

---人気読者モデルの青柳さんは、本当に読書好き!ほかにもゲーテ格言集がオススメだとか。
そんな青柳さんのブログはこちら!

---フリーペーパー創刊前ですが、撮影済み写真を限定公開します!






『放課後の音符』

本日、オススメする文庫は山田詠美さんの『放課後の音符(キイノート)』です。

突然ですが、わたしはこの本を文庫ガール必携のバイブルに推したいと思います!!



十七歳で男の人とベッドに入ることを日常にしているカナ、
夏の恋を思い出して涙を流すマリ、
年上の女性に彼をとられたカズミ・・・。


この本に出てくる女の子たちは、みんな、恋をしています。
決して派手ではないけれど、ひっそりと、自分にしかできない、本物の恋。
まだ恋らしい恋をしたことのない主人公の「私」に、彼女たちはそっと秘密を打ち明けます。


ソックスの下に隠したさらさら揺れるアンクレット、
思い出の味に似ているジントニック、
自分のことを待つためのシャネルの赤い口紅・・・。


素敵な恋ができる女の子たちというのは、
自分だけの孤独の味わい方を知っているようです。
そして「私」も成長し、自分だけの恋の方法に気付きます。


「好きな人のいない放課後なんて変よね。私、ずうっと、変なことして来たんだ」


日常生活に追われ、年齢や経験を重ねるにつれ、
忘れかけていた恋する気持ちを思い出させてくれる一冊。
ぺージを開くと、きっとあの頃の「わたし」が見つかるはずです。
そして、まだ、本物の恋に出会っていないあなたにも、ぜひ読んでほしい!
きっと次は、あなたの番です。

2011年5月14日土曜日

アンジェ ビュロー/ANGERS bureau

今回おすすめするのは、
京都・河原町に本店を構えるすてきな雑貨店 アンジェ/ANGERSさんのNEW SHOP!
都内では新宿店に次ぎJR上野駅のエキナカ、エキュート上野に誕生した「アンジェ ビュロー」です。
「書斎」をテーマにした店内には、こだわりの文房具を始め、丁寧にセレクトされた書籍が充実しています。(もちろん文庫も!)

また、書籍が本棚だけでなく雑貨や文房具と絶妙に織り交ぜて置いてあるので、本と雑貨のLOVEな関係!も味わえます…笑

すてきな雑貨店は数あれど、
アンジェさんからは本への愛情をひしひしとかんじるなあ、と思っていたら、母体がふたば書房という書店さんだからなのだと聞いて納得でした!

また、上野では注目の展覧会もぞくぞく開催中です。

上野国立博物館では、「手塚治虫のブッダ展」!
(ブッダ文庫版 言わずと知れた名作ですが、オススメです!)


同じく上野国立博物館の平成館では「写楽展」が開催中です!

展覧会に行けば気になるのがオリジナルグッズ。

”かまわぬ×ブッダ展”コラボ手ぬぐい

“KEITA MARUYAMA × 写楽展”
ではKEITA MARUYAMA がデザインしたラベルの梅酒なんてものも。
ボルドー型ワインボトルの優秀なデザインは、贈り物にも喜ばれそうですね!

2011年5月13日金曜日

「まほろ駅前多田便利軒」

本日、オススメする文庫は三浦しをんさんの「まほろ駅前多田便利軒」です。

こちらは、

読んでよし
見てよし
出かけてよし

の三拍子がそろった、今が旬の1冊!


まほろ駅前で淡々と便利屋を営む多田は年末、
「あんたはきっと来年忙しくなる」
という予言を告げられます。
そして年明け。
学生時代の同級生、行天(ぎょうてん)が転がり込んできて・・・

ついでにいろんな出来事も舞い込んでくるわけです(笑)

ひとクセもふたクセもある依頼人や行天の行動にクスッと笑わされたり、
しんみりさせられたり・・・。
そして誰もが1箇所はぐりぐり線を引きたくなるような、
ハッとさせられるセリフに出会える1冊ではないかと思います。
移り変わる季節とともに
明らかになる二人の背景や変化にご注目ください。


そしてこのお話は今年の春、
瑛太と松田龍平の主演で映画化したばかり。
話の面白さに加えて
イケメン二人組にもぅ目が釘付けです!!
映像で見るまほろ市やリアルな住民の姿からも
本とはまた違った魅力を楽しめちゃいます。
(4/23から公開してるので、お早めに~)


さらにさらに。
このお話の舞台になっている「まほろ市」は
作者の三浦さんが昔住んでいた町田市がモデル。
ということで、今「町田市民文学館ことばらんど」では
この作品に連動した企画展の真っ最中です。
イベントも予定されているので、
ぜひこちらのページをチェックして
出かけてみてはいかがでしょうか~?!

映画公開記念 三浦しをん「THE MAKING OF まほろ駅前多田便利軒」展

2011年5月12日木曜日

5月30日(月)創刊号リリースパーティーを開催!




フリーペーパー『文庫ガール』の創刊号リリースパーティーを開催します!

イラストレーターであり読者モデルのむらたさきさんによる『文庫×ファッション』トーク
MicroWorks海山さんによるBookPack新作『zipper』の発表&販売
人気ヘアサロンDaBによる『読書用ヘアスタイル』デモンストレーション
などなど盛りだくさん!!


また、当日のFoodは、
人気のCAFE&CATERING TORi による、文庫本モチーフのスペシャル料理です!

みなさんお誘いあわせのうえ、ぜひお越しください!
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文庫ガール創刊号RELEASE PARTY
■日程:2011/5/30(月)
■時間:19:00(OPEN)/19:30(START)/21:30(CLOSE)
■場所:椿サロン(東京都中央区銀座7-2-17旧不二家本社ビル)
■入場料:500円 
■Food:TORiの文庫本モチーフ料理

■内容
読者モデルむらたさきさん『文庫×ファッション』トークショー
MicroWorksのBook Pack新作『zipper』の発表&販売
Hair salon 『DaB』による「読書用ヘアスタイル」デモンストレーション
文庫ガール100選の展示&販売
文庫ガールTOOLSの展示&販売
and more!!

*混雑が予想されるため、ご予約いただくことをオススメいたします。
■お問い合わせ&お申込み
bunkogirl.info@gmail.com

2011年5月11日水曜日

むらたさきさんのおすすめ



むらたさきさんが紹介する文庫はしあわせな葉っぱです。

---この文庫を読もうと思ったきっかけは?
小学生の頃からおーなりさんが大好きで、もともと単行本を読んでいたんですけど、文庫版が出ているのを発見!いつでも持ち歩いて読める!!と思って買いました☆

---実際に読んでみた感想は?
読むとあたたかい気持ちになれます!今まで悩んでいた日々のモヤモヤはいったい何だったんだろう!と思えるくらい、スッキリしますよー。

---読者モデルとしてはもちろん、イラストレーターとして大活躍中のむらたさきさん。
むらたさんの近況はブログをチェック!
撮影済みの写真を限定公開します!





武智志保さんのおすすめ


重松清さんの鉄のライオン(光文社文庫)です。

---この文庫を読もうと思ったきっかけは?
重松清さんのファンなんです。著作はほとんど読んできたので、自然と手に取りました。

---実際に読んだ感想は?
今までの重松さんの作品は“家族”がテーマであることが多かったですけど、この本は違いました。いい意味で裏切られるというか、新たな重松さんを味わえますよ!

---超人気読者モデルから、
いまやプロデューサーとして大活躍!
武智志穂さんのブログはこちら!

---フリーペーパー発行前ですが、撮影済みの写真を限定公開!






2011年5月9日月曜日

佐々木茜さんのおすすめ


安野モヨコさんの美人画報ハイパー (講談社文庫)です。

---この文庫を読もうと思ったきっかけは?
もともと安野モヨコさんのマンガが好きだったんです。もちろん、本のテーマである、ファッションやビューティーに興味があることもあって。

---実際読んでみてどうでした?
カラー絵がたくさん入っていて、楽しめます!安野モヨコさんの“美”に対する考え方も好きです。
オシャレが好きな人はぜひ読んでみてください!

---祥伝社発行の雑誌『Zipper』を卒業し、アパレルに就職した佐々木さん。5月末まではZipperでブログを続けられるそうです!要チェック!

---フリーペーパー発行前に、撮影済みの写真を限定公開します!